日本皮膚科学会雑誌
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80 巻 , 8 号
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  • 五島 應安
    1970 年 80 巻 8 号 p. 491-
    発行日: 1970年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    俗にいう水虫athlete's footは,古くより皮膚科医はいうに及ばず,一般素人の間でも数多く論ぜられてきた課題であり,関係論文は枚挙にいとまない.しかしながら今日なお,感染,予防,治療の面に多くの未解決の問題が残されている.それは一つには,趾間に発生するほとんどすべての炎症性病変が臨床上水虫の診断を導き,その原因が単に白癬菌にのみ帰せられてきたことに起因すると考える.かかる安易な概念は,時として無用の治療に基づく症状の増悪をさえ招来する.趾間白癬の臨床所見と病巣よりの白癬菌分離率との間に存在する矛盾は多くの人によつて指摘されるところである.Ajelloらは,871名の成人男子について,59.9%が趾間に何らかの臨床的異常をみたにかかわらず,白癬菌の検出率は18.1%にすぎないこと,また,白癬菌を検出した趾間の1.7%において臨床的には全く異常がみられなかつたことを報告している.Marples,M.らもNew Zealandにおける387名の学童調査で,69.3%に何らかの趾間病変を認めたが,白癬菌の検出率は,病的趾間より7.5%,一方臨床的に正常と思われる趾間よりも2.5%に検出されたことを報告し,いわゆる趾間白癬において白癬菌を唯一の病原菌とみなすことに疑問を投げかけている.かかる矛盾は,その他にも数多く指摘されたところであろうが,それについての積極的解答を試みんとしてなされた報告はほとんどないといつてさしつかえない.僅かに,Kligmanが成書において,とくに証拠を示していないが,趾間白癬はその初期には白癬菌の関与があるにしても,臨床と症状の進展にもかかわらず,白癬菌の消失することは稀でなく,かかる場合には,その他の因子,とくに細菌の果たす役割りを重要視すべきであろうと述べているのと,Marples,M.が白癬菌検出者中,自覚症を訴えるものに,Staphylococcus aureus(以下黄色ブ菌)が多く検出せられたことから,趾間白癬の進展における白癬菌と黄色ブ菌の共存に意義を見出さんとした報告があるにすぎない.しかし,この報告も自覚症を中心とした臨床的記述と,自覚症の有無に基づいた被験者相互での黄色ブ菌の分離率の差に有意性を見出そうとしたところに問題を残した.本論文は,趾間に棲息する細菌のおのおのを準定量的にあらわすことによつて,生態学的立場よりこれらの問題に解決を与えんとして試みられた実験成績の報告である.
  • 増田 勉, 本田 史朗, 中内 洋一, 伊藤 裕喜, 木下 正子, 原田 昭太郎, 矢尾板 英夫, 溝口 昌子
    1970 年 80 巻 8 号 p. 515-
    発行日: 1970年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    昭和40年3月より41年5月にわたる東大皮膚科と関連5病院皮膚科の貼布試験に関する基礎的協同研究により49種の抗原の基剤と至適濃度が決められ,さらに爾後の研究の基礎として,陽性率と欧米文献をもとに24種の抗原を東大皮膚科の貼布試験標準系列として仮りに決めたことは既報の通りである.この研究をスタートとして東大皮膚科専門外来では昭和41年6月以降逐時50種をこえる抗原の基剤と至適濃度をきめ,100種をこえる抗原を準備して湿疹・皮膚炎患者を対象に標準系列を主体にして貼布試験を行なつてきた.もちろん標準系列は臨床経験の積重ねにより取捨選択され研究の必要からいれられたものを加え,大幅に変つている.昭和44年7月までの3年2ヵ月間に貼布試験の実施例数は1,356例となり,アレルギー性接触皮膚炎と証明されたものは287例,314件に及んだのでこの間の成績をまとめて報告することとした.以下われわれの行なつている貼布試験の方法,証明されたアレルギー性接触皮膚炎の内訳,成績よりみた貼布試験の意義,臨床的価値について記述する.
  • 山本 昇壮, 藤原 義己, 斎藤 肇, 田坂 博信, 小田 咲子
    1970 年 80 巻 8 号 p. 544-
    発行日: 1970年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    プールで受傷した部位に生じた皮膚結核様病変が,Hellerstromによつてはじめて報告されて以来(1939,1951),同様の症例がClevelandおよびReesらによつても報告されこれらのいずれにおいても,プールで泳いだこととなんらかの関連があろうことが示唆されたが,その原因については全く不明であつた.ところが,NordenおよびLinellは,同様の病像を呈した患者の病巣部から1抗酸菌の分離に成功し,これに対してMycobrcterium balneiという種名を与えた.その後ZettergrenらおよびMollohanらによつても同種の抗酸菌が証明されるに至り,いわゆるswimming pool granulomaはMycobacterium(以下M.)balneiによる1感染症であることが一般に認められるところとなつた.ところで,最近に至りM.balneiとAronsonの分離命名したM.marinumとは同一菌種であることが明らかにされ,その命名の優先権よりM.marinumの種名を採用することの妥当性がWayneらによつて指摘されている.Swimming pool granulomaの臨床像としては,本菌によつて汚染されたプールなどで受けたとおもわれる擦過傷部に限局した無痛性の赤褐色小丘疹あるいは浅い潰瘍,痂皮形成などがみられるが,しばしばLupus vulgarisまたはTuberculosis verrucosa cutisなどに類似した病像を呈するものもあるとされている.M.marinumの病原性は比較的弱く,本菌感染症は通常数ヵ月で自然治癒するものが多いようであるが,稀には数年の経過をみたものも報告されている.ところで,最近われわれは,多様な皮疹が全身にわたつて散在性にみられ,しかもきわめて長い経過をとつたとおもわれるM.marinum感染症の珍らしい1例を経験したので以下報告する.
  • 植木 宏明, 中川 昌次郎, 古元 敦子
    1970 年 80 巻 8 号 p. 554-
    発行日: 1970年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    尋常性天疱瘡7例,Senear-Usher症候群3例について,患者血清および病変部皮膚を,免疫組織学的に検索した.Beutnerらの方法による血清中の抗表皮細胞間抗体は尋常性天疱瘡5例,Senear-Usher症候群1例に証明された.しかし,水疱性類天疱瘡に見られる如き,抗皮膚基底膜抗体は証明されなかつた.なお,尋常性天疱瘡の1例では抗核抗体が検出された.
  • 古元 敦子
    1970 年 80 巻 8 号 p. 555-
    発行日: 1970年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    皮膚の抗原性に関する研究は,今までに多く発表されて来ており,さらに,最近では,細胞膜の抗原性,特に膜のリポ蛋白のそれに関して興味がもたれている.著者は,各種皮膚疾患において,表皮リポ蛋白の関与を検索するため,先ず,モルモットの表皮リポ蛋白について基礎的検討を行なつた.
  • 1970 年 80 巻 8 号 p. 556-
    発行日: 1970年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
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