日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
102 巻 , 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 杉田 泰之, 山川 有子, 内藤 静夫, 丸山 光雄, 中嶋 弘
    1992 年 102 巻 6 号 p. 657-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    ツツガムシ病の病原体であるRickettsia tsutsugamushiのDNAを患者の血液からPCR法によって検出する診断法を実用的に改良した.PCR法の反応の過程でビオチンを増幅DNAの中に取り込ませ,酵素反応を用いたドットブロットハイブリダイゼーションで増幅DNAの特異性を確認した.この方法により信頼性の高い実用的なツツガムシ病のDNA診断が可能であることを示した.
  • 間山 諭
    1992 年 102 巻 6 号 p. 663-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    日光角化症(AK)およびBowen病(BD)の腫瘍としての性格あるいは悪性度の位置づけを明確にするために,病変を構成する細胞の核の面積,形状,DNA量についてホルマリン固定パラフィン切片を用いて,画像解析装置によって計測した.ほかに,脂漏性角化症(SK),扁平上皮癌(SCC),正常表皮(N)についても同様に計測し,これらと対比した.核の面積はAKでは45.8±19.8μm2(平均値±標準偏差値),BD47.3±10.1μm2,SK52.8±13.0μm2,SCC58.6±13.3μm2,Nでは37.3±8.5μm2で,N≦AK≦BD≦SK≦SCCの順で大きくなっていた(≦は右が左より大きいが,有意差なし).NとBD,SK,SCCの間,BDとSCCの間には有意差があった(p<0.01),形状因子(NSF=4π・NA/NP2;NPは核周長)はAK0.751±0.043,BD0.759±0.029,SK0.820±0.018,SCC0.787±0.026,N0.817±0.019で,SK≧N>SCC>BD≧AKの順で小さくなっていた(>はp<0.01で有意差あり).つまりAKで核不整が最も強くなっていた.DNA量はAK2.54±0.89c,BD2.98±0.69c,SK2.23±0.37c,SCC2.77±0.60c,N2.11±0.23cで,N≦SK≦AK≦SCC≦BDの順に増加していたが,NあるいはSKとBD,SCCの間には有意差を認めた(p<0.01).AKの核は不整であるか,面積,DNA量の増加はそれほど著明ではない.一方,BDの核面積の増大もそれ程ではないが,DNA量はSCCと有意差がないまでに増加しており,さらに核不整は有意差をもってSCCより増強していた.したがって,AKでは癌としての性格は明らかではなく,前癌病変と理解され,一方,BDの癌性性格は明らかである.
  • 秋山 尚範, 阿部 能子, 荒田 次郎
    1992 年 102 巻 6 号 p. 671-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    マウス実験的伝染性膿痂疹モデルを用いて伝染性膿痂疹における抗菌剤投与の影響を解明することが目的である.シクロホスファミド投与マウスにヒト伝染性膿痂疹由来の黄色ブドウ球菌(以下黄色ブ菌)を経表皮的に接種しマウス実験的伝染性膿痂疹モデルを作製した.このモデルに抗菌剤外用および抗菌剤の全身投与を行い経時的に生検した.今回検討した実験結果より,1.抗菌剤外用はマウスり表皮中層までに菌が存在時は有効であるが,表皮全層に菌が拡大時には効果が見られないこと,2.抗菌剤外用および抗菌剤の全身投与を併用するも菌は角層中に残存し,この残存した菌は伝染性膿痂疹の再発に寄与する可能性があること,3.抗菌剤投与後炎症細胞浸潤は抗菌剤無投与時より増すこと,4.真皮浅層に限局して存在する菌は,周囲の正常表皮よりの表皮細胞の再生による再上皮化で排除されうること,5.抗菌剤投与後角層中に残存した菌は,角層のeliminationにより排除されることが判明した.
  • 川口 新暉
    1992 年 102 巻 6 号 p. 679-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    吸光度法により甘草成分のフラボノイド化合物中に,tyrosinase活性阻害作用を有する成分が認められたため,B-16 mouse melanoma細胞およびヒト正常表皮を用いてin vitro系について検討した.このフラボノイドの疎水画分である甘草抽出エキスlicorice extracts(LE-1と略す)を添加培養したB-16 mouse melanoma細胞への14C-thiouracilの取り込みが,濃度依存性に抑制された.LE-1添加培養したB-16 mouse melanoma細胞は添加前は黒色であったものが肉眼的に白色化し,光顕的なdopa反応ではdopa陽性細胞が陰性化した.電顕dopa反応でもtyrosinase活性の高いGolgi野の嚢状,管状構造,coated vesicleやmelanosomeがほとんどdopa反応陰性を示した.また,電顕的にはstage Ⅱ,Ⅲ,Ⅳのmelanosomeの減少が認められた.しかし,細胞内小器官にはほとんど変化が認められなかった.さらに,polyacrylamide gel電気泳動法によるtyrosinaseアイソザイムの分析では,LE-1処理細胞のLGF(large granule fraction)のT1,T3tyrosinaseのアイソザイムは,LE-1無添加細胞のものよりも細いbandを示した.ヒト表皮を用いた剥離dopa反応では,dopa陽性細胞がほとんど陰性を示したことから,LE-1エキスはヒトmelanocyte内のtyrosinase活性をも阻害することが分った.以上のin vitro系の実験より,甘草抽出エキスLE-1が培養細胞内およびヒト表皮メラノサイト内のtyrosinase活性作用の阻害によるmelanogenesis抑制が確認された.
  • 川口 新暉, 呉 貴郷, 河 陽子, 鹿島 眞人, 溝口 昌子
    1992 年 102 巻 6 号 p. 689-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    植物甘草成分のフラボノイド疎水画分中に,tyrosinase活性を阻害する成分(LE-1と略す)が含まれていることがin vitro系の実験から明らかになった.今回は,この甘草成分をin vivo系について報告する.褐色モルモット皮膚にUVBおよびPUVA照射後に生じた色素沈着に,2週間連続甘草エキスを塗布した.脱色効果はいずれも対照物質のhydroquinone(HQ)より軽微であったが,コントロールの部位よりも明らかな脱色が認められた.また,ヒト皮膚にUVBを照射後に生じた色素沈着に対しても,同様の脱色効果が認められた.生検したモルモット皮膚組織のFontana-Masson染色では,表皮のメラニン顆粒の沈着がかなり減少していた.表皮の剥離dopa反応においても,dopa陽性細胞の減少が認められた.in vitroおよびin vivoの実験系から,甘草エキスLE-1はtyrosinase活性を阻害することによりmelanogenesisを抑制することが確認された.しかし,tyrosinase活性阻害作用の詳細なメカニズムはまだ明らかではない.
  • 佐藤 伸一, 尹 浩信, 原田 栄, 下妻 道郎, 紫芝 敬子, 竹原 和彦
    1992 年 102 巻 6 号 p. 695-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    爪郭部の出血点(nailfold bleeding;NFB)が診断に有用であったscleroderma spectrum disorderの4例を報告した.4例ともに当初強皮症とは関連のない病態で当科を受診したが通院中にNFBを認めたことより,強皮症に関する精査を施行した.特異抗核抗体の検索では4例ともに抗セントロメア抗体が検出された.臨床的には軽度の皮膚硬化が4例中2例に認められ,2例は手指腫脹を伴っていた.また全例にレイノー現象を伴っていた.その他3例に手を中心とした紫紅色の米粒大毛細血管拡張を,2例に舌小帯の白色肥厚を,1例に爪上皮の延長を,1例にびまん性色素沈着を認めた.内臓病変の合併は検索した限り全例に認められなかった.scleroderma spectrum disorderは強皮症定型例のみならず,強皮症の非定型例ないし早期例,混合性結合組織病およびその不全型,将来強皮症に進展するレイノー現象のみの患者を包括する概念であり,NFBはこのscleroderma spectrum disorderの検出に有用と考えられた.さらにNFBは特殊な装置・経験がなくとも判定可能なため,scleroderma spectrum disorderの早期例および軽症例をスクリーニングする上で有用な所見と考えられた.
  • 1992 年 102 巻 6 号 p. 703-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
feedback
Top