日本皮膚科学会雑誌
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110 巻 , 13 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 窪田 康雄
    2000 年 110 巻 13 号 p. 2099-
    発行日: 2000年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
  • 浅野 善英, 尹 浩信, 山根 謙一, 矢澤 徳仁, 久保 正英, 菊池 かな子, 相馬 良直, 玉置 邦彦
    2000 年 110 巻 13 号 p. 2107-
    発行日: 2000年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    modified Rodnan total skin thickness score(以下m-Rodnan TSS)とポイント制診断基準案はともに汎発性強皮症患者の病態を定量化するものである.汎発性強皮症患者57例を対象としてm-Rodnan TSSとポイント制診断基準案の比較検討を行った.m-Rodnan TSSと統計ポイントの間には正の相関が認められ,これは主に皮膚硬化のポイントとm-Rodnan TSSが強く相関するためと考えられた.肺線維症との相関について検討したところ,肺線維症のある群は肺線維症のない群と比較して有意に高い総計ポイントを示した.また%VC,%DLcoについて検討したところ,総計ポイントと%VCの間には負の相関が認められた.一方,m-Rodnan TSSでは肺病変との相関は認められなかった.以上より,ポイント制診断基準案は汎発性強皮症患者の重症度を評価しうること,m-Rodnan TSSは1回のみの測定では臨床的意義は少ないことが示された.しかしながら,diffuse typeの強皮症患者では非常に高いポイントを示すため,長期にわたって経過を追ってもポイントの変化がほとんどない可能性があり,このような症例に対してはm-Rodnan TSSは有効である可能性が示唆され,今後の検討が必要と考えられた.
  • 奥田 峰広, 吉池 高志
    2000 年 110 巻 13 号 p. 2115-
    発行日: 2000年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    皮膚の健常性を維持するためには,皮膚を清潔に保つことが重要であり,そのために各種身体用洗浄剤が古くより用いられてきた.一方,近年アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患と角層バリア機能との関連性が注目されている.そこで,本報では皮膚洗浄,特に洗浄剤中の界面活性剤やpHそして洗浄操作と角層バリア機能との関連について比較検討を行った.その結果,洗浄操作を行うことで角層水分蒸散量やリボフラピン浸透量を指標とした角層のバリア機能が影響を受けるだけでなく,その程度,すなわちこする操作の程度で角層バリア機能への影響が異なることも確認された.また,緩衝液を用いた洗浄では角層への影響は少ないが,界面活性剤を含むことで角層への影響に差が認められ,アルカリ性(pH9)では角層への影響が大きくなり,穏和な洗浄条件であっても角層細胞間脂質の溶出などの影響が認められた.一方,弱酸性(pH5)では角層バリア機能への影響も少ないことが明らかとなり,皮膚を洗浄する条件としては皮膚の生理的pHに近い弱酸性が望ましいと考えられた.
  • 宇原 久, 斎田 俊明, 高田 実, 影下 登志郎, 山本 明史
    2000 年 110 巻 13 号 p. 2123-
    発行日: 2000年
    公開日: 2014/08/19
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    悪性黒色腫に対する化学療法として頻用されているdacarbazineは治療関連白血病やmyelodysplastic syndrome(MDS)を起こす可能性が指摘されている薬剤であり,最近本邦でも白血病やMDSを生じた悪性黒色腫患者が報告されている.そこで厚生省がん研究助成金班会議の構成施設で悪性黒色腫患者における血液癌を含めた重複癌の実態調査を行うことにした.対象は原則として1984年1月~1998年12月に各施設を初診した悪性黒色腫患者とした.調査項目は総患者数,重複癌患者数,悪性黒色腫の診断前後別患者数,悪性黒色腫に対する化学療法施行の有無別患者数および重複癌の種類である.9施設から集計された患者総数は1,242人で,60人(4.8%)の重複癌症例が確認された.悪性黒色腫の診断前に他の悪性腫瘍の診断がなされていた症例は26例(2.1%),悪性黒色腫の診断以後に他の悪性腫瘍が発見された症例は34例(2.7%)であった.この悪性黒色腫診断以後に他の悪性腫瘍が発見された症例について治療との関係をみると,何らかの抗腫瘍化学療法を受けていた患者が25人(悪性黒色腫に対して化学療法を受けたことがある患者数824人中に占める割合は3.0%),いわゆるbiological response modifiersの使用のみの患者が1人(同44人中の2.3%),化学療法未施行例が8人(同374人中の2.1%)であった.化学療法後に診断された重複癌は,肺癌5例,直腸癌4例,甲状腺癌3例,肝癌および胃癌2例,結腸癌,大腸癌,胆嚢癌,前立腺癌,骨肉腫,子宮癌,悪性黒色腫,有棘細胞癌,急性骨髄性白血病,MDSがそれぞれ1例ずつであった.白血病とMDSを発症した各1例は,いずれも悪性黒色腫の根治術後にdacarbazine,nimustine hydrochloride,vincristineからなる補助療法を受けていた.今回の調査では悪性黒色腫の術後観察期間が十分ではない症例も含まれているが,重複癌の合併率においてメラノーマに対する化学療法施行群,biological response modifiers治療群,および末治療群間に統計学的に有意な差はみられなかった.しかし化学療法剤によって発生したと考えられる白血病とMDSがそれぞれ1例みられており,特に術後補助療法としての化学療法の適応については,その選択に際して慎重な検討が必要と思われる.
  • 並里 まさ子, 寺井 奥子, 小川 秀興
    2000 年 110 巻 13 号 p. 2127-
    発行日: 2000年
    公開日: 2014/08/19
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    ハンセン病患者の治療経過中にみられた境界反応(BR)5例について,それぞれの重症度と持続期間を,治療内容と比較検討した.LL型(subpolar type:LLs)2症例(L①,L②)はともに初発例で,境界群(B群)の3症例(B①,B②,B③)はともに再発例であった.早期診断とともに,WHOの推奨する多剤併用療法の多菌型用regimen(MDT/MB;1982年)を投与したL①では,治療開始後早期にBRが出現したが,MDT/MB(1982年)を約2年間継続後他剤に変えて経過観察中にも,運動神経麻痺の形で2回目のBRが出現した.一方,不適切な初期治療(DDS50mg/日)が長期継続したL②では,この間にENL,虹彩炎などのⅡ型らい反応が出没し,その後より有効と考えられる治療に変更後,BRが2回出現した.いずれも2回目のBRを経験後,皮膚塗抹検査での菌指数は著明に低下した.B①は,再発初期よりMDT/MB(1982年;変法)が投与されたが,B②は,不適切治療(DDS25mg/日)が6年間続いた後MDT/MB(1982年)に変更された.BRの持続期間は,B①の方がB②よりも著しく短かった.B③は,再発時の菌指数が高値で,その後複数の薬剤が少量ずつ単剤で2年9ヵ月投与された後,より有効な治療に変更された.この症例は,数年間重度のBRが続き,初期にはENLも混在した.我々は,多発地域における疫学的な群現象として追跡するフィールド調査とは異なる視点より,上記5例を詳細に観察した.その結果,BRについて以下の傾向がみられた.LLsでのBRは,効果的な治療の後に出現し,十分な殺菌力のない治療が続いた場合には,その間Ⅱ型らい反応に関連する組織障害が起きうる.B群では,早期の有効な治療が,BRの予後にとって特に重要である.また治療前の菌指数が高値のLLsで,MDT/MB(1982年)終了後も菌指数の低下が不十分な場合,さらに十分な期間の治療・観察が望まれる.今後さらに多症例で検討し,ハンセン病のより確実な治療について考えていきたい.
  • 西嶋 攝子, 今村 美香, 中矢 秀雄
    2000 年 110 巻 13 号 p. 2135-
    発行日: 2000年
    公開日: 2014/08/19
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    1994年1月から1999年12月までの6年間に皮膚感染病巣から分離した緑膿菌57株について,年度別分離数,病巣の種類,同時に分離された菌種,薬剤感受性を検討し,加えてアトピー性皮膚炎(AD)にカポジ水痘様発疹症と緑膿菌の二次感染を併発した2症例を報告した.緑膿菌の分離数は最も多い年で16株,少ない年で2株(平均9.5株)であり,ブドウ球菌と比較してかなり少数であった.多くが潰瘍,ビランから分離され,特に足底,足趾からの分離率が38.6%と高かった.単独で分離されたのは22.3%であり,黄色ブドウ球菌(黄色ブ菌)と共に分離されたのが,43.9%と最も多かった.薬剤感受性成績は,多くの薬剤で感受性は良好に保たれていたが,CET,FMOX,MINO,FOM,STに感受性はほとんどなく,OFLX,GMの感受性も良くなかった.緑膿菌の二次感染を併発したADの2症例は,いずれも重症のカポジ水痘様発疹症,黄色ブ菌感染も合併しており,局所は浸出傾向が強く,高熱を伴い全身状態も悪かった.1例では局所に副腎皮膚ホルモン剤の外用を行い,皮疹が乾くとともに症状は改善したが,他の1例では,体幹全域に緑膿菌感染が拡大し,抗菌薬の全身投与が必要であった.緑膿菌感染症は皮膚科領域では分離数も少なく稀な感染症であるが,浸出傾向が特に強く,黄緑色の膿苔と独特の臭気をみた時には,本菌の感染を疑い,病態に応じた適切な対応を行うことで症状の改善が計られると考え,異なる治療方針で対応した2症例を報告した.
  • 佐々木 公美, 湊原 一哉, 音山 和宣, 横関 博雄, 西岡 清, 高清水 一善, 神田 隆
    2000 年 110 巻 13 号 p. 2141-
    発行日: 2000年
    公開日: 2014/08/19
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    63歳,女性.33歳時に非A非B型肝炎罹患,56歳時にC型肝炎と診断され,58歳時に天然型インターフェロン(以下IFN)α療法を施行されるも,精神症状出現のため中止.1998年8月より両下腿に網状皮斑,疼痛を伴う紫斑が出現.血清クリオグロブリン,血中HCV-RNA量,血清の寒冷沈降物中HCV-RNA量高値,紫斑の組織所見にて,真皮浅層の血管周囲の細胞浸潤と内腔閉塞像を認めた.以上よりC型肝炎によるクリオグロブリン血症Ⅱ型と診断した.下腿のしびれ,異和感などの神経症が増悪傾向にあり,神経生検で進行性の神経炎の所見を得たため,遺伝子組み換え型IFN-α2bによる治療を試みた.治療経過とともに血中HCV-RNA最低下,血中クリオグロブリン量の低下を示し,臨床的に紫斑の新生も減少し,皮膚症状の改善がみられ,血中HCV-RNA量,血清クリオグロブリン量と病勢との関連性が示唆された.しかしながらクリオグロブリン血症による神経支配血管の閉塞などにより生じたと考えられる神経症状は改善せず,皮膚症状に比較し難治性であった.
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