日本皮膚科学会雑誌
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122 巻 , 5 号
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日本皮膚科学会ガイドライン
皮膚科セミナリウム 第84回 動物から感染する皮膚病
  • 原 弘之, 荒島 康友
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第84回 動物から感染する皮膚病
    2012 年 122 巻 5 号 p. 1347-1351
    発行日: 2012/04/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    Pasteurella属菌は通性嫌気性グラム陰性短桿菌である.本菌は,哺乳動物や鳥類の口腔内に常在し,獣医学の領域において重症感染症の起因菌として知られている.一方,イヌやネコからヒトへの感染は,咬傷や掻傷が原因となって生じる局所化膿症,濃密な接触による呼吸器感染症,さらに敗血症などの重症感染症が生じうる.近年注目されている人獣共通感染症のひとつである.
  • 山﨑 修
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第84回 動物から感染する皮膚病
    2012 年 122 巻 5 号 p. 1353-1357
    発行日: 2012/04/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    猫ひっかき病(Cat scratch disease:CSD)は猫による受傷(創傷や咬傷)が原因で発症するBartonella henselaeの感染による人畜共通感染症である.定型的なCSDはよく知られているが,診断法の進歩とともに非定型的な症状が明らかになり,不明熱,肝脾臓病変,脳炎,眼症などを含む症候群としてBartonella henselae感染症を捉えるようになっている.ペット共生スタイルの違いもあり,本邦では比較的稀ではあるが増加傾向にある.本稿では猫ひっかき病を中心にBartonella感染症について概説する.
  • 加藤 卓朗
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第84回 動物から感染する皮膚病
    2012 年 122 巻 5 号 p. 1359-1362
    発行日: 2012/04/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    動物から感染する皮膚真菌症はMicrosporum canis(ネコなど),Trichophyton verrucosum(ウシなど),Trichophyton mentagrophytes(ウサギなど)による白癬とCryptococcus neoformans(ハトなど)による皮膚クリプトコックス症である.白癬の病型は動物と接触部位に生じる体部白癬が多く,Trichophyton rubrumと比較して炎症所見が強いのが特徴である.
原著
  • 天羽 康之, 田辺 健一, 三井 純雪, 狩野 真帆, 勝岡 憲生
    原稿種別: 原著
    2012 年 122 巻 5 号 p. 1365-1374
    発行日: 2012/04/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    近年,成体に分布する様々な組織幹細胞が見いだされ,それらの幹細胞は自己複製能および多分化能を有して組織の修復に寄与するとともに,一方で悪性腫瘍の起源となることが注目されている.皮膚原発腫瘍においても神経細胞,グリア細胞,ケラチノサイト,平滑筋細胞及びメラノサイト等を由来とする様々な皮膚原発の腫瘍において,その起源が皮膚に分布する幹細胞である可能性が高いと考えられている.我々は神経幹細胞マーカーであるネスチンを用いて,多分化能を有する毛包幹細胞が脂腺導管開口部周囲,毛隆起(バルジ領域)直上の毛包幹細胞領域(hair follicle pluripotent stem cell area(hfPSCA))に分布していることを確認した.この多分化能を有する毛包幹細胞は,皮膚腫瘍の起源として重要と考えられる.我々は,ネスチンをはじめとする幹細胞マーカーの発現を,外毛根鞘腫,扁平上皮癌,基底細胞癌やメラノーマなどの皮膚原発腫瘍において検討した.その結果,外毛根鞘腫の組織切片と細胞株におけるネスチンの発現から,本腫瘍の起源が毛隆起(バルジ領域)にあることが推測された.さらに,幹細胞マーカーの発現程度と腫瘍悪性度との相関について検討し,悪性黒色腫におけるネスチンの発現と予後との相関,さらにヒト乳頭腫ウイルスの関与するBowen癌(扁平上皮癌)におけるネスチンの発現と悪性度との相関を明らかにした.ネスチン等の幹細胞マーカー発現の検討は,皮膚原発腫瘍の起源解明や予後推測因子として今後さらに重要になると考えられる.
  • 加瀬 貴美, 肥田 時征, 米田 明弘, 柳澤 健二, 山下 利春
    原稿種別: 原著
    2012 年 122 巻 5 号 p. 1375-1380
    発行日: 2012/04/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    We assessed the clinical features of 66 patients with pustulosis palmaris et plantaris who visited our hospital from January through May of 2010. Twenty-one patients were men and 45 were women. For the evaluation of tonsillectomy, improvement of skin lesions was classified into 4 grades; remarkably improved, improved, slightly improved and unchanged. The rate of improvement (remarkably improved and improved) by standard treatments other than tonsillectomy were 41.2% (21/51). The rate of improvement after tonsillectomy was 53.3% (8/15), but the rate of improvement of arthropathy was 16.7% (1/6). Tonsillectomy is considered as a helpful treatment for moderate to severe cases with pustulosis palmaris et plantaris.
  • 水本 一生, 新原 寛之, 森田 栄伸
    原稿種別: 原著
    2012 年 122 巻 5 号 p. 1381-1388
    発行日: 2012/04/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    2008年10月より2009年9月までの1年間に当科で経験した下肢静脈瘤の手術症例38肢の術後3カ月における治療成績を検討した.評価にはvenous clinical severity score(VCSS),visual analog scale(VAS),duplex ultrasound(DU)scanningを用いた.術式としては逆流のみられるsapheno-femoral junction(SFJ)に対しては膝下までの部分ストリッピングあるいは高位結紮を,sapheno-popliteal junction(SPJ)に対しては高位結紮を,下腿の不全穿通枝(insufficient perforating vein:IPV)に対しては直視下切離あるいは内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術(subfascial endoscopic perforator surgery:SEPS)を施行し,全肢において伏在静脈瘤に対するフォーム硬化療法を併用した.その結果,38肢中32肢(84%)で良好な結果が得られたが,6肢(16%)においてはVCSS,VASの改善が充分でなく,術後DU scanningにおいてもIPVから伏在静脈瘤への逆流の残存がみられた.これら6肢のCEAP分類はいずれもC4で,強いうっ滞症状を有していた.充分な治療効果が得られなかった原因は不完全な逆流処理にあり,非処理のIPVからの逆流で硬化剤が失活し,静脈瘤が残存した機序が考えられた.うっ滞症状が強く,皮膚症状のみられるC4以上の症例では穿通枝処理を含めた完全な逆流処理を行った上で硬化療法を併用することが重要であると考えられた.
  • 池田 勇, 柴田 雄司, 本田 泉, 牧野 良造, 尹 浩信
    原稿種別: 原著
    2012 年 122 巻 5 号 p. 1389-1394
    発行日: 2012/04/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    近年,悪性腫瘍細胞の増殖・転移に不可欠な因子を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす分子標的治療薬の臨床応用が始まっている.ヒト上皮細胞増殖因子受容体(epidermal growth factor receptor:EGFR)阻害剤は非小細胞性肺癌,大腸癌への有用性が認められているが,高率に皮膚症状を合併する.特に爪囲炎は疼痛などの愁訴が強く,難治であることからしばしば治療継続を困難とする.今回,我々は陥入爪の治療器具により,爪囲炎を軽減させる試みを行ったので報告する.
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