日本皮膚科学会雑誌
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89 巻, 10 号
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  • 青木 清子, 飯田 利博, 鈴木 啓之
    1979 年 89 巻 10 号 p. 679-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    シュルツェマダニ (Ixodes persulcatus Schuize) の人体寄生例を報告し,摘除した虫体の走査型電顕による観察所見を報告した.除去した虫体は光顕的には破損はみられなかったが,走査型電顕で目下片の歯の一部に軽度の損傷を認めた.虫体除去後2ヵ月を経た寄生部の皮膚病理組織学的所見として,真皮内限局性の膠原線維の膨化と,その周辺の血管及び汗腺周囲性の形質細胞なとがらなる細胞浸潤とか特徴的であった.また異物型巨細胞内に虫体の目下片の歯の一部と思われる黄褐色顆粒物を認めた.
  • 松本 義也
    1979 年 89 巻 10 号 p. 685-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    Sprague-Dawley ラットの加齢に伴う皮膚結合組織の変化を,グリコサミノダリカンを中心に検討をおこない,さらにデルマタン硫酸-コンドロイチン硫酸 copolymer の存在についても検索し,以下の結果を得た. 1.皮膚グリコサミノダリカン総量は,出生日にピークがみられ,その後減少し生後1ヶ月頃よりほぼ一定値を示した. 2.ヒアルロン酸は,出生まもなくそのピークがあらわれその後生後1ヵ月頃まで徐々に減少し,以後ほぼ一定値を示した. 3.皮膚デルマタン硫酸は,生後40日頃に増加し,その後ほぼ一定の値を示した.これは,コラーゲン量の指標である組織ハイドロオキシプロリン含量の増加の傾向とよく対応し,デルマタン硫酸と皮膚線維形成との相関が推測された. 4.加齢に伴う皮膚デルマタン硫酸の質的変化は,特に認められなかった. 5.皮膚デルマタン硫酸は,均一な二糖単位の繰り返し構造ではなく,イズロン酸成分とグルクロン酸成分とが種々の混成比をなして,デルマタン硫酸 -コンドロイチン4- 硫酸 copolymer として存在すると考えられた.
  • 橋本 公二, 岡部 紀和, 中田 精三, 松山 正経, 森 隆
    1979 年 89 巻 10 号 p. 695-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    乾癬性関節炎の病型別頻度,発症頻度及び HLA 抗原を調査した. (1)乾癬性関節炎自検例13名を MolJ & Wrigh tに従い5型に分類した所,その頻度は Moll & Wrightの傾向とほぼ一致しており,少数指趾型がもっとも多かった. (2)昭和52年度に阪大皮膚科を受診した乾癬患者195名を対象として調査したところ,乾癬性関節炎の発症頻度は 3,6% であった.なお,尋常性乾癬と膿庖性乾癖に分類すると,前者では 2.1% に過ぎなかったが,後者では 42.9% と高率に認められた. (3)乾癬性関節炎患者19名を末梢型と中枢型に分類し,その HLA 抗原を調査したところ,中枢型で HLAB27 が 66.7% の高率に認められ,欧米における報告と一致していた. HLA-B27 の本邦における正常人の頻度は数%に過ぎず,今後,中枢型乾癬性関節炎の診断には HLA 抗原の検索が有用と思われる.
  • 内平 信子
    1979 年 89 巻 10 号 p. 699-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    1.毛包・脂腺の観察に適した割断法を見出すため,同一生検材料に樹脂冷凍断法,スチレン樹脂割断法,エポン812凍結割断法及びアルコール割断法を用いて作成した試料についてその走査像を比較検討した結果,スチレン樹脂割断法がこの目的には最適と考えられる.1.人頭部健常皮膚の毛包・脂腺を種々のレベルで横断または縦断する割断試料を作成し,その三次元構造を走査電顕を用いて検討し,以下の結果を得た,1)毛髄は,毛球直上部のやや上方で急速に崩壊し,海綿状構造を呈していた. 2)毛皮質では,毛球直上部で線維形成が始まり,毛包中間部で太い線維の表面に多数の小鋸歯状凹凸及びこれより大型の半球状や茸状の突起を生じていた・ 3)角化した毛小皮細胞の横断面には,その内層及び外層にそれぞれ相当する層状構造がみられた.毛小皮表面には多数の縦溝及び小陥凹に混じて半球状や茸状の大きな突起が認められた. 4)毛小皮・鞘小皮間の嵌合の解離は毛球直上部のやや上方で起ると考えられた. 5)脂腺腺葉は蜂寫様構造を呈していた.脂腺細胞内には透過電顕像上の小空胞,脂質滴,大脂質球に相当すると思われる小孔ないし大小の小高が観察された.以上から,小空胞が融合して脂質滴が形成され,さらにそれらが融合して大脂質球と成る過程が三次元構造的にも推察された.
  • 1979 年 89 巻 10 号 p. 713-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
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