日本皮膚科学会雑誌
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94 巻 , 9 号
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  • 岡 恵子, 斎藤 文雄
    1984 年 94 巻 9 号 p. 997-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    6歳,男児の右下肢に生下時よりみられたlocalized folded skin with underlying lipomatous nevusの1例を報告した.従米本症の汎発型は“the Michelin tire baby”として3例の報告があるが,限局型の報告はまだみられない.本例では,皺形成が下腿・足背・足底にみられ,該部の臨床像は汎発型の所見に一致したが,大腿では指圧痕のような陥凹を多数認めるのみであった.加齢により臨床症状の改善をみた点は,汎発型の特徴とよく一致した.病理組織学的には皮下成熟脂肪組織のびまん性増殖をみとめ,その脂質および脂肪酸組成では,特記すべき所見は得られなかった.
  • 馬場 徹, 鷺野谷 秀夫, 佐久間 満里子, 高瀬 孝子, 上野 賢一
    1984 年 94 巻 9 号 p. 1003-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    顔面,頚部にのみ典型的な角化性丘疹を認め,体幹,四肢では灰白色斑の多発を見たダリエ病患者を2例経験した.灰白斑の主たる組織学的所見は基底層のメラニン顆粒の減少ないし消失であったが,表皮内に小裂隙形成を伴っているものも認められた.しかるに,長期的な経過観察では灰白斑は著しい変化を示す事なくその形態を維持し,顔面,頚部で角化性丘疹の増生を見た際にも,灰白斑よりの角化性丘疹への移行は認められなかった.さらに,経過観察中に異型疹である扁平疣贅様皮疹の増生を見たが,その際に扁平疣贅様皮疹は灰白斑部を避げる様にして出現した.以上の事から,灰白斑はダリエ病の皮疹の一型に属するものではあろうが,典型疹への,あるいは異型疹である扁平疣贅皮疹への単なる先駆疹としての性格を有するものではないであろうと推察した.又,ダリエ病の病変部に対して普通撮影と共に紫外線撮影も併せて行ない両者の画像を比較検討した.その結果,紫外線撮影は白斑や皮膚の微細な凹凸の記録に優れているという結論を得た.
  • 水谷 仁, 服部 智子, 清水 正之, 濱口 次生
    1984 年 94 巻 9 号 p. 1015-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    手指の循環動態の簡便な客観的評価を目的として,超音波ドプラー聴診器と小型ターニケットの組合せによる指血圧の測定システムを作成し,進行性全身性強皮症(以下PSSと略)31例並びに健常成人40例の左右第3指及び肘部血圧を測定し比較検討した.健常人肘部血圧とPSS肘部血圧との間には統計学的に有意差を見出し得なかった.指血圧と肘部血圧との比較では,健常人では指血圧と肘部血圧がほぼ等しい値をとるのに対し,PSSでは指血圧が肘部血圧に比し有意の低下を示した.健常人指血圧とPSS指血圧の比較では,PSSでは健常人に比し有意の低下が認められた.また指血圧の低下度とPSSの臨床的な皮膚硬化の重症度との間に相関性が見出された.さらに本法を定量的に検索するためPSS患者の手背皮下組織血流量をXe-133クリアランス法を用いて測定し,クリアランス法による測定値,臨床的な皮膚硬化度及び指血圧との比較検討を行ったところ,3者の間に相関性が見出され,本法の臨床応用への可能性が示された.
  • 堀嘉 昭, 中川 秀己, 川村 美保子, Baden H.P., Fitzpatrick T.B.
    1984 年 94 巻 9 号 p. 1021-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    日本人の黒色,白人の黒色,ブロンド,淡褐色,褐色,ブルネット,赤褐色,赤色を呈する成長期頭毛の毛母メラノサイト及びケラチノサイトに含有されているメラノソームの大きさ,メラニン化の状態及び形態を電顕的に観察し,頭髪の色とメラノソームとの関連について若干の知見を得た.すなわち,日本人の成長期黒色毛の毛母メラノサイト内のメラノソームは大部分第4期で,その最大径は1.2×0.5μmでありケラチノサイト内には第4期メラノソームが個々に存在しているのが認められた.白人のブロンド,褐色,淡褐色を呈する成長期頭毛の毛母メラノサイト内には第1期から第4期までのメラノソームが認められ,その最大径は0.9×0.3μmであったが,色の濃淡により第4期のメラノソームの占める割合が異なっていた.ケラチノサイト内ではメラノソームは個々に存在していた.白人の赤色を呈する成長期頭毛毛母メラノサイトには0.5×0.5μmのほぼ円形ないし多角形のメラノソームが認められ,メラニン化は不規則であった.ケラチノサイト内では個々にあるいは複合体を形成して存在していた.白人の赤褐色を呈する成長期頭毛毛母メラノサイトには最大径0.9×0.3μmの楕円形のメラノソームと少数の0.5×0.5μmの円形及び多角形のメラノソームが認められ,ケラチノサイト内ではこれらが個々にあるいは複合体を形成しているのが認められた.日本人の黒色毛ではメラノソームの最大径は白人のそれより大であった.ケラチノサイト内メラノソームは白人では完全にメラニン化していない状態のものも認められたが,日本人黒色毛ではメラニン化の完成したもののみであった.
  • 川村 光二
    1984 年 94 巻 9 号 p. 1031-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    肥厚した表皮としからざるものとに対し,Retinoidが如何なる影響を及ぼすかを知るために,表皮基底細胞の核DNAについて顕微蛍光測光法により検索した.表皮肥厚は,絆創膏によるTape-Strippingをモルモット耳介内皮膚に1週間繰返すことにより惹起された.表皮肥厚作製後,Retinoid 10mg/kg/dayを連日服用せしめ,経日的に皮膚片を採取し,0.25%α-chymotrypsin溶液に浸漬して表皮基底細胞を分離した.染色は,Pararosaniline-Schiff液によるFeuIgen反応,一部にはFeuIgen反応とAcriflavine-Schiff液によるNinhydrin-Schiff反応を重複しておこなった.作製されたDNAヒストグラムより,Deanの変法にもとづいて細胞周期各期の割合を算出した.その結果,表皮肥厚を生ぜしめた群では,投与1日でG1期細胞の増加とS期およびG2+M期細胞の減少がみられた.しかし投与1週以後,GI期細胞の割合は次第に減少し,S期細胞は増加した.これに対し対照群では,投与1日でG1期細胞の減少とS期細胞の増加がみられた.しかし3日以後,S期細胞は次第に減少し,投与前の割合に近付いた.G1期細胞の核蛋白量は,表皮肥厚群では投与1週で最小,以後次第に増加した.対照群では1週で最大となり,以後減少した.
  • 松本 吉郎, 深水 秀一, 井上 邦雄, 森口 隆彦
    1984 年 94 巻 9 号 p. 1039-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    血管腫の多くの例では,臨床的に診断をつけることがさほど困難ではない.私たちは,組織学的に皮下と,真皮および皮下に存在するlobular capillaryhemangiomaの像を呈し,非典型的ではあるが本邦のいわゆるangioblastoma(中川)に近似した血管腫で,欧米のCooperらのintradermal and subcutaneous granuloma pyogenicum,または,Pasykらのcellular hemangiomaとも考えられる,診断の困難であった2症例を報告し,これらの疾患の概念,関連性について論じた.
  • 磯田 美登里
    1984 年 94 巻 9 号 p. 1045-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    肉芽腫の発生病理研究のため,その主役を務めると考えられるマクロファージの反応を,マウスの皮膚に異物を注射することによって検索した.Carrageenan,sepharose 2Bbeadsおよびジルコニウムという性状並びに大きさの異なる三種の異物によって,いずれも異物肉芽腫を誘発できた.実験マウスは上記の異物を注射後1日から42日間,注射部位を定期的に切除し,組織学的および酵素組織化学的に観察した.生成されたすべての異物肉芽腫は酸フォスファターゼおよびエステラーゼの著明な活性を示し,β-ガラクトシダーゼも平均して弱い活性を示したが,とくにジルコニウム肉芽腫において肉芽腫の発達と平行してその活性が上昇していた.このように肉芽腫の誘起物質によって,β-ガラクトシダーゼの活性化パターンが異なるので,同酵素は肉芽腫の原因または発生の解析上,よい指示酵素となるのではないかと考えられる.
  • 仲田 佳子, 太田 有史, 佐藤 成明, 牧角 良介, 横井 清, 海原 純子, 田中 貢
    1984 年 94 巻 9 号 p. 1055-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    1)5例の菌状息肉症腫瘍期の皮膚病変における腫瘍細胞を免疫酵素組織化学的に検討した.2)抗Tリンパ球系モノクローナル抗体による検索:腫瘍細胞はLeu 1およびLeu 3aと特異的に反応し,Leu 2aとは反応せずhelper T細胞であることが示された.3)酵素組織化学的検討:健常リンパ節を用いて,AcPase,β-GaseおよびANAEがTリンパ球マーカー酵素であり,ATPaseおよび5'-NがBリンパ球マーカー酵素であることを確認した後,菌状息肉症に施行したところ,mycosis cellはAcPase陽性,β-Gase陰性ないし弱陽性,ANAE陰性,ATPase陽性,5'-N陰性であった.4)Mycosis cellがhelper T細胞由来でありながら,Tリンパ球マーカー酵素の活性が減弱し,Bリンパ球マーカーであるATPaseの活性が認められたのは,腫瘍化による細胞形質の変化と考えられた.
  • 野村 洋文, 蜂須賀 裕志, 森 理, 坂本 文野, 笹井 陽一郎
    1984 年 94 巻 9 号 p. 1061-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    EDTAおよびTrypsin処理により分離されたモルモット表皮細胞をPercollを用いて分画し,各分画についてSH基およびS-S結合を定量した.染色は,N-(7-dimethylamino-4-methyl-3-coumarinyl)maleimideを用いておこない,顕微螢光測光により測定した.その結果,SH基は基底細胞に相当するhigher density fractionにおいて少なく,有棘細胞および顆粒細胞に相当するintermediate density fractionおよびlower density fractionに多く存在するのがみとめられた.これに対してS-S結合は,各層の間に差がなかった.
  • 阿部 順一, 野中 延子, 中野 俊二, 一木 幹生
    1984 年 94 巻 9 号 p. 1065-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    疥癬患者の皮疹より疥癬虫を採取し,走査電子顕微鏡にて観察した.材料の試料台への固定(Mounting)の際,実体顕微鏡,針,両面テープを用いると,観察後の試料の剥離,再固定(Mounting)再観察ができるため,一匹の材料でもその背,腹両面を各方向より十分に走査電子顕微鏡で観察する事ができた.なおかつ,その観察は各種ダニ類の鑑別に有用であった.
  • 1984 年 94 巻 9 号 p. 1069-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
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