日本皮膚科学会雑誌
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109 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 今山 修平
    1999 年 109 巻 1 号 p. 1-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
  • 川端 康浩, 帆足 俊彦, 大原 國章, 玉置 邦彦
    1999 年 109 巻 1 号 p. 11-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    Dermatosconeを使用し,日本人に多い末端黒子型悪性黒色腫と足底の色素性母斑との鑑別を試みた.足底の後天性色素性母斑のDermatoscope所見を過去の報告と比較して再検討してみると,過去の報告例(Akasu5型分類)と自験例とにそのパターンにも頻度にも大きな違いはなく,いずれも皮溝と皮丘とに密接に関わった非常に規則的な線状のパターンで構成されていた.皮溝に沿った線状の色素沈着は病理組織学的に,皮溝に対応した表皮突起のメラニン色素,母斑細胞の胞巣,角層へのメラニン色素のcasting offに対応し,皮丘上の点状色素沈着は汗腺開口部付近の母斑細胞の胞巣ないしメラニン色素の沈着に対応していた.つまり,足底の後天性色素性母斑のDermatoscope所見における規則的な線のパターンは母斑細胞やメラニン色素の表皮内における規則的な分布によって形成されるものだと考えた.それに対して,Acral lentiginous melanoma in situでは,ほとんどの線のパターンは形成せず,皮溝・皮丘に無関係なびまん性色素沈着ないし皮溝よりも皮丘に強いびまん色素沈着で,全体的に色調のむらが非常に強く,色素沈着のみられない部分には相対的に色素脱失をきたしているかのようにみえた.これらを色素性母斑の規則的な線のパターンに対して,ALMの無秩序な面のパターンと表現した.組織学的には,表皮内に異型メラノサイトが不規則に分布しており,色素性母斑のように皮溝に対応した表皮突起や皮丘部の汗孔周囲に腫瘍細胞が限局するということはなかった.また,腫瘍局面内におけるDermatoscope所見の違いは表皮内における腫瘍細胞の密度の違いによるものであることがわかった.そして,これらの秩序のない不規則な腫瘍細胞の分布によりALM in situの非常に不規則な面のパターンは形成されるものと考えた.Dermatoscope所見で5型分類から逸脱したパターンを呈するものをALM in situと完全に鑑別することは困難で,5型分類から逸脱するパターン後天性色素性母斑は切除して組織学的に検討すべきであると考えた.
  • 伊藤 嘉恭, 辺田 哲郎, 渡邊 泰弘, 石橋 明
    1999 年 109 巻 1 号 p. 27-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    5-Aminolevulinic acid(以下ALAと略する)による光線力学療法(以下PDTと略する)が有効であった指皮膚悪性腫瘍の2例を報告し文献的考察を加えた.症例1:69歳女.1年前から左示指に角化性紅色局面を呈した.生検によりBowen病と診断される.20%ALAが含まれる親水軟膏のODTを4時間施した後のPDTを2度施行した.症例2:61歳男.1年前から右小指に角化性結節を呈した.生検により基底細胞癌と診断された.10%ALA生理食塩水液0.2ccを局注し4時間後のPDTを2度施行した.施術後両病変ともに生検による瘢痕を除き正常皮膚局面を呈した.またその後の生検像において腫瘍細胞の消失を確認し得た.光源は600nm以下を遮断する赤色フィルターを装着させたスライドプロジェクターが利用された.本法はレーザーなど特殊な機材を使用しないので簡便で,また低侵襲性の治療法であるので,指や顔面などの小悪性腫瘍に対しては手術療法を行う前に考慮されるべき方法であると思われた.
  • 加藤 卓朗, 丸山 隆児, 渡辺 京子, 谷口 裕子, 西岡 清
    1999 年 109 巻 1 号 p. 39-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    病院,居酒屋,ホテルの客室などの靴を脱ぐ環境における足底への皮膚糸状菌の付着状況を検討した.対象環境は靴を脱いで靴下ないし裸足になる場所で,それぞれ4施設の病院,居酒屋,ホテルを検討した.被験者は白癬に罹患していない健康な41歳男で,培養法は足底を培地に直接圧抵するFoot-press培養法,培地は5FCなどを添加したサブロー・ブドウ糖寒天培地を用いた.各実験前に被験者の両足底のFoot-press培養法は陰性であった.次に被験者が各施設で裸足になり,病院の体重計と患者用スリッパは使用後に,病院のリハビリセンターのマットと待合室,居酒屋およびホテルの客室は歩行後に,Foot-press培養法を再度行った.その結果,それぞれ4施設のうち,皮膚糸状菌が生えた施設数は病院の体重計2,スリッパ1,マット1,および居酒屋2で,病院の待合室とホテルの客室はすべて陰性であった.また,皮膚糸状菌の菌種別では分離した46コロニーのうちTrichophyton rubrum29,T.mentagrophytes17コロニーであった.以上から既に報告した共同浴場,プール,患者家庭に比較すると付着頻度と集落数は少ない傾向にあったが、皮膚糸状菌が付着しにくい環境と考えられる病院と居酒屋においても被験者の足底に菌が付着することがあることが証明された.さらに被験者は特別な予防を行っていないが足白癬を発病しておらず,菌は付着するが発病することはまれであることが再確認された.
  • 国松 志保, 新家 眞, 大槻 マミ太郎
    1999 年 109 巻 1 号 p. 43-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎(以下AD)の網膜剥離は毛様体に裂孔を生じることが多い点で特殊である.今回われわれは,東大病院皮膚科アトピー外来より眼科へ受診したAD患者38例と,東大病院本院および分院で治療を行ったADに合併した網膜剥離症例19例の計57例に対して,面接方式にて詳しい問診を行い,眼科的所見と皮膚科的所見を調査した.,毛様体裂孔の診断に超音波バイオマイクロスコープ(以下UBM)を導入し,毛様体裂孔を生じた群(裂孔+群;20例)と生じない群(裂孔-群;37例)との比較検討を行った.年齢・性別・AD罹病期間・皮膚症状の重症度と期間・血中総IgE値・ステロイド使用期間は,両群を通じて差はなく,皮膚所見のうちHertoghe徴候が裂孔+群に有意に頻度が高かった(χ2検定,p=0.03).全例に対する問診の結果,裂孔+群では,19例(95%)に叩打癖があり,裂孔-群の13例(35%)と比べて有意に頻度が高かった(χ2検定,p=0.0001).AD患者における毛様体裂孔の発症には,叩打癖が強く関連することが示唆された.
  • 1999 年 109 巻 1 号 p. 49-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
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