日本皮膚科学会雑誌
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80 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 溝口 昌子
    1970 年 80 巻 4 号 p. 213-
    発行日: 1970年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル フリー
    経皮感作成立には種々の因子が関連し,その関連の仕方,程度は様々であるといわれている.経皮感作とアルカリ中和能,皮膚pH,皮脂量等の皮膚表面性状との関係については,主として職業性接触皮膚炎の研究に付随して研究報告されてきた.1935年Burckhardtは左官業などにみられる職業性接触皮膚炎患者にアルカリ中和能低下,アルカリ抵抗減弱を示す者が正常者に比べ多数みられることを報告した.しかしBurckhardtは,アルカリ中和能低下は感作されやすさの直接の原因ではなく,単にアルカリに対する皮膚の生理的防禦機能低下を表わし,一次的皮膚刺激を受けやすい状態にすぎないと考えている.また同年Burckhardtはニッケル工場の工員に皮膚炎患者が多く,これらの患者はニッケルに感作されていることを調査し,その原因として作業中にアルカリ性の液に皮膚が曝される機会が多く,そのため
  • 最上 晋
    1970 年 80 巻 4 号 p. 231-
    発行日: 1970年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル フリー
    ATPは細胞内における蛋白,糖および脂質の生合成,筋収縮,能動輸送など,生体の殆んどすべての代謝経路に関与することは周知の通りである.ATPがこれらのエネルギー源として利用されるために必要なATPaseについては性格を異にする諸種のATPaseが知られている.すなわち,筋収縮に関与するmyosin-ATPase,筋弛緩に関与する筋小胞体ATPase,形質膜にあつてイオンの能動輸送に関与するNa-K-ATPaseおよびミトコンドリア内膜にあるイオンのtranslocationに関与するATPaseなどであるが,これらのすべてが純化した標品として取り出されてはおらず,従つてそれら酵素の関与する諸種反応の機作も不明の点が多い.一方,ATPase活性の局在とその意義づけが近年組織化学的手技によつて行なわれつつあるが,皮膚科領域においてもその報告は漸増している.この度私は本酵素活性の皮膚における分布を人健常皮膚並びに病巣部皮膚について観察すると共に,ATPase染色を指標とする血管および神経の態度を検索したので以下に報告する.
  • 辻 卓夫
    1970 年 80 巻 4 号 p. 243-
    発行日: 1970年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル フリー
    皮膚の神経についての研究は,過去多年にわたり,光顕レベルでかなり詳しく行なわれて来た.この間,表皮内神経の有無についても議論されて来たが,今日においてもなお,種々の染色法(methylene blue,silver,enzyme technics)を用いての研究にもかかわらず,異なつた結果が報告されており,その一致を見ない.一方電顕レベルにおける皮膚の神経に関する研究は,未だ微々たるものであるが,神経の特徴ある構造を観察できる利点より次第に光顕レベルの研究から移行しつつある.最近,この電顕的観察により,表皮内にも神経が存在することが証明された.すなわちHayはAmblystoma larvaにおいて,またMungerはOpossum noseに,Chiarodoはnewborn prepuceに,それぞれ,表皮内神経(axon)を見出している.著者もHairless Mouse背部の正常皮膚における神経を電顕的にに観察し,表皮内にも神経を発見できたので,表皮直下の神経と共にその特徴につき観察した結果を報告する.
  • 青山 久, 安江 隆, 倉地 則子
    1970 年 80 巻 4 号 p. 252-
    発行日: 1970年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル フリー
    現在,抗原がはつきりしない蕁麻疹に対しては,一般に矢追抗原,パスパート,ペプトン,自家血清などによる非特異的hyposensitization療法が行なわれている.しかし,その効果については蕁麻疹の治療効果の判定が完治した場合を除いては不可能に近く,また,抗ヒスタミン剤などを併用してhyposensitizationを行なうことが多いために,hyposensitization療法そのものがどの程度に有意に役割を演じているか,現在はつきりさせるデータは出ていない.
  • 長谷川 輝彦, 小森 繁
    1970 年 80 巻 4 号 p. 253-
    発行日: 1970年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル フリー
    われわれは先に扁平コンジローマにおけるトレポネーマおよび形質細胞の電顕観察について報告した(Brit.J.Derm.81:367,1969)今回は2例の初期硬結と2例の扁平コンジローマの電顕観察を行ない一部には家兎梅毒睾丸炎の電顕観察を行なつた所見である.
  • 1970 年 80 巻 4 号 p. 254-
    発行日: 1970年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル フリー
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