日本皮膚科学会雑誌
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117 巻 , 3 号
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皮膚科セミナリウム 第24回 偽癌
  • 竹中 秀也
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第24回 偽癌
    2007 年 117 巻 3 号 p. 249-253
    発行日: 2007/03/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    ケラトアカントーマは,急速に増大したのち,数カ月で自然消退する特徴的な経過をみる皮膚腫瘍である.ほとんどが単発性で,中高齢者の露光部,特に顔面に好発し,中央に角栓を伴ってドーム状に隆起した結節を呈する.組織学的に有棘細胞癌との鑑別が問題となる.本症の本態については,毛包系由来の良性腫瘍とする考えと有棘細胞癌の亜型とする考えがあり,結論が出ていない.治療にあたっては,有棘細胞癌との鑑別を念頭に置いて行う必要がある.
  • 梅林 芳弘
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第24回 偽癌
    2007 年 117 巻 3 号 p. 255-263
    発行日: 2007/03/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    1948年,Sophie Spitzは,後にその名を冠されることになる腫瘍を「Melanomas of childhood」として報告した.現在,この腫瘍は良性の母斑の一型であり,成人発生例も少なくないことから,「若年性黒色腫」ではなく「Spitz母斑」と称されることが多い.臨床的には,小児の顔面に生じる紅色の小さな結節が定型的イメージであるが,バリエーションの幅は広い.組織学的には,Spitzの報告以来メラノーマとの鑑別が重要な論点となっており,対称性,境界の明瞭性,表皮内胞巣の形状,胞巣周囲の裂隙,Kamino小体,maturationなどが鑑別点として挙げられている.さまざまな亜型も知られているが,メラノーマとの境界領域ともいうべきatypical Spitz nevus, malignant Spitz nevusをめぐってはcontroversyがある.本腫瘍がメラノーマと全く独立した疾患なのか,良悪性の連続したスペクトラム上に配置すべきものなのかについては,Sophie Spitzから60年近く閲した現在なお議論が続いている.
  • 渡辺 大輔
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第24回 偽癌
    2007 年 117 巻 3 号 p. 265-274
    発行日: 2007/03/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
原著
  • 川島 眞, 石崎 千明
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 3 号 p. 275-284
    発行日: 2007/03/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    医療用保湿剤の有効性を客観的に評価するために,健康成人に作製した人工的乾燥皮膚及びアトピー性皮膚炎患者の乾燥皮膚に対する保湿剤の効果を,皮膚生理学的パラメーター(角層水分量,経表皮水分喪失量)を指標として比較検討した.人工的乾燥皮膚に対するヘパリン類似物質含有製剤(ヒルドイド®ソフト),20%尿素含有製剤(尿素製剤)及びワセリンの保湿効果を,無作為割付によるランダム化比較試験で評価した.乾燥皮膚は,前腕内側部を対象部位として,アセトン/エーテル及び水で処置し作製した.試験薬は,1日1回計3日間塗布し,経日的に角層水分量及び経表皮水分喪失量を測定し,皮膚乾燥度を視診及びマイクロスコープで観察した.その結果,ヘパリン類似物質含有製剤及び尿素製剤は,角層水分量を有意に増加させた.ヘパリン類似物質含有製剤は角層水分量において,ワセリンに比べ有意に高い効果を示し,尿素製剤に比べ乾燥状態をより早く回復させることが示唆された.また,ヘパリン類似物質含有製剤,尿素製剤及びワセリンは,経表皮水分喪失量及び皮膚乾燥度を有意に改善した.次に,アトピー性皮膚炎患者を対象としてその乾燥皮膚に対するヘパリン類似物質含有製剤の保湿効果を検討した.前腕内側部を対象部位として,ヘパリン類似物質含有製剤を1日2回計3週間塗布した.1週間毎に角層水分量及び経表皮水分喪失量を測定し,また皮膚所見を視診で観察し,痒みの程度を問診した.その結果,ヘパリン類似物質含有製剤は,角層水分量及び皮膚所見を有意に改善したが,経表皮水分喪失量及び痒みは改善しなかった.以上より,皮膚生理学的機能異常の改善を目的に使用されているヘパリン類似物質含有製剤,尿素製剤及びワセリンの乾燥皮膚に対する有効性が示され,またヘパリン類似物質含有製剤はアトピー性皮膚炎患者の乾燥皮膚に対しても有効であることが示された.
  • 藤沢 智美, 山中 新也, 川合 さなえ, 清島 真理子, 加治 賢三, 堀川 真由香, 折戸 秀光, 松下 貴史, 小村 一浩
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 3 号 p. 285-290
    発行日: 2007/03/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    症例1:65歳,女性.2000年3月より全身の倦怠感が出現.4月下旬に食欲低下,脱力感に気づいた.5月1日当科受診時には,ヘリオトロープ疹と顔面の浮腫性紅斑,上胸部,上背部の紅斑がみられた.症例2:75歳,女性.2005年8月末より両手の腫脹,手掌紅斑が出現.当院内科で軽い間質性肺炎と診断される.原因検索のため10月当科紹介された.2症例とも筋原性酵素の明らかな上昇はなく,筋生検でも筋炎の所見はなかった.抗核抗体陰性,血清の免疫沈降法で抗140 kDa蛋白抗体陽性であった.Amyopatic dermatomyositis(ADM)1)2)と診断した.その後急速に間質性肺炎が進行したためステロイドパルス療法やステロイド内服及びシクロスポリン内服を行い有効であった.血清中に抗140 kDa蛋白抗体が存在するADMの症例は稀であるが,急性進行性間質性肺炎を合併する例が多いため重要な疾患と考えられる.
  • 神吉 晴久, 清水 秀樹, 村田 洋三, 熊野 公子, 石原 尚徳, 西村 隆一郎
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 3 号 p. 291-296
    発行日: 2007/03/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    夫婦で発症した乳房外Paget病の2症例を経験したので報告する.症例1:70歳男性.初診の5年前より外陰部の不整形紅斑,糜爛が出現した.平成11年6月11日当科紹介受診した.組織学的に乳房外Paget病と診断し,10 mmはなして拡大切除した.症例2:65歳女性.症例1の妻で症例1との血縁関係はない.夫が乳房外Paget病で手術を受けた約半年後に両大陰唇から陰核にかけての搔痒を伴う浸潤性紅斑,糜爛に気づき当院産婦人科受診.乳房外Paget病の診断で拡大切除を受けた.組織のPCR-RFLPではHPVは検出されなかった.乳房外Paget病の発生頻度は不明であるが,偶然に夫婦に発症することはかなり低い確率であることから,他種のウイルスあるいは未知の環境因子などの関与を示唆すると考えられる.
  • 宮島 進, 中川 幸延, 山本 志織
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 3 号 p. 297-302
    発行日: 2007/03/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    糖尿病に合併した下肢の末梢血流不全症例のスクリーニングを目的として,末梢皮膚還流圧(skin perfusion pressure:以下SPPと略)測定を行い,その有用性を検討した.検査対象は110例(男性53例,女性57例)で,平均年齢は65.3歳(中央値は66歳),HbA1cの平均値は7.63%であった.これらの症例のなかで,臨床的に末梢血流不全があると考えられたものは89例であった.また血流不全にともなう潰瘍や壊疽などの足病変を合併したものは40例で,観察期間中に何らかの形で切断を余儀なくされたものは17例であった.SPP測定によって得られた検査値を,上下肢血圧比(ankle brachial pressure index:以下ABPIと略)における検査値と,単回帰分析を用いて比較を行い,その相関関係を検討した.更にReceiver Operating Characteristic Curve(以下ROC曲線と略)を用いて,虚血の有無,虚血にともなう足病変の有無,切断の有無の項目によってグループ分けし,各々の検査における有病率,特異度について比較を行うとともに,各々の項目におけるカットオフ値を求めた.その結果,回帰分析では,SPPはABPIに対して比較的良好な相関関係を示した.ROC曲線では,虚血の有無,虚血にともなう足病変の有無,切断の有無,いずれの項目についても,SPPはABPIよりも検査の感度,特異度ともに優れていた.各項目におけるSPPのカットオフ値は,虚血の有無では60 mmHg,虚血にともなう足病変の有無では45 mmHg,切断の有無では30 mmHgで,臨床所見と治療転帰についてはカットオフ値とよい相関をみた.糖尿病に合併する下肢の血流不全症例のスクリーニングにおいて,SPPは有用な検査法のひとつと思われた.
学会抄録
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