ヒト・アラチノサイトの接着構造であるデスモゾームの膜構造について,基底細胞から角層細胞として脱落するまでの正常な系統的変化をフリーズ・フラクチャー電顕によって観察した.正常ヒトの皮膚の生検材料を生検後直ちに2.5%グルタールアルデヒド固定し,試料とした.基底細胞,有練細胞,穎粒細胞のデスモゾームは,50―110Åの膜内粒子が集合して成る類円形(直径0,3~0.7μ)の斑として認められた.半デスモゾームは膜の凍結破砕面のE面上にのみ数10個の膜内粒子からなる不明瞭な粒子集合としてみられた.角層細胞のデスモゾームは,他の膜内粒子が消失しているためきわだって認められ,角層第1~3層で約100Åの粒子の密な集合としてみられ,第3~5層ではこの粒子の一部欠損した粒子集合となり,第5~7層では少数の残存する粒子からなり,第9~10層では消失していた.また,角層の第1層目の細胞の細胞膜破砕面には,デスモゾーム間を結ぶ網目状をなす幅100Åほどの索状構造が E 面に,溝状構造が P 面にみられた.最後にデスモゾームの膜構造のフリーズフラクチャー観察によるモデル図を提示した.
アトピー性皮膚炎における血清 lgE 高値は,抑制性 T 細胞の機能異常によるものではないかと考え,健康人を対照として,抑制性 T 細胞機能の測定を行ならだ.末梢血より,リンパ球を分離後 Concanav:alin A により抑制性T細胞機能を誘導し, responder-cell の幼弱化に対する抑制率より抑制性 T 細胞機能を測定したその結果対照とくらベアトピー性皮膚炎患者め抑制性 T 細胞機能に異常は認めら.れなかった.