日本皮膚科学会雑誌
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70 巻 , 9 号
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  • 豊島 淑, 品川 猛, 須貝 哲郎
    1960 年 70 巻 9 号 p. 863-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
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    著者等は現在向表皮性ヴィールスによる皮膚疾患に就て研究を重ねているが,その一環として青年性扁平疣贅verruca plana juvenilisの発生機轉及び治癒機轉に就て今までに得た臨床的実驗の結果から考察を加えたいと思う.疣贅ヴィールスの卵培養乃至実驗動物への移植は未だ確実な成功を認められていないので,直接人体実驗によるより方法のない現状である.青年性扁平疣贅が直射日光に長時間さらされたり,精神的抑圧をうけた後に,しばしば痒感を伴つて急に皮疹が発赤膨化増加し,更に落屑傾向をたどることは古くから知られている.このような一過性の局所炎症性反應は治療によつても生ずることが認められている.他方1927年にBlochが暗示療法によつて扁平疣贅の治療を行い,極めて有効なことを報告して以来,疣贅に対する暗示効果は周知の事実となつている.著者らはγ-グロブリン(以下γ-Gと略す)及び強力ネオミノファーゲンC(以下NMCと略す)による青年性扁平疣贅の治療実驗を行つたので,その治驗の分析及び臨床的観察を基にして青年性扁平疣贅の発生及び治癒の機轉に就て假説を提案したいと思う.
  • 仲井 厚
    1960 年 70 巻 9 号 p. 871-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    皮膚アレルギーと口腔粘膜アレルギーの関係に就てはBlaurockがこれに着眼して以来檢討が加えられ,その実驗方法も近来とみに改善されるにいたり,その後Nyquistの廣汎な研究が出た.本邦に於いてはこの種の研究に乏しいので,若干の実驗を企て,その成績を記したい.
  • 森部 洋一
    1960 年 70 巻 9 号 p. 882-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    奥野敎授は瘙の研究を始めた頭初,アミノ酸(グリシン,リジン,アラニンなど),ペプタイドの如きいわゆる起瘙性物質と称する化学物質が瘙の発生に密接な関係を有するのではあるまいかという意見を持つていたが(皮と泌,17,484,昭30),その後の研究により濕疹皮膚炎の如き皮膚の炎症にともなう瘙の発生には必ずしもそのような起痒性物質の存在を必要としないのではないかという見解に変つた.すなわち皮膚の炎症に基く瘙の発生機轉をわれわれは大約つぎの如く解釋している.皮膚に炎症が発生すると炎症部位は必然的に知覚過敏状態に陥る.換言すれば炎症部位では神経線維(疼痛神経線維)の刺激にたいする興奮性が亢進する.興奮性の亢進せる神経線維が病巣の内外から緩徐に刺激されるときに痒感が発生する.而してこのさい病巣内に発生する刺激性物質の有する起痒性の有無は余り関係しないように思われる.従来このように皮膚の炎症に基く瘙の機序を解してきた.而してこのさい問題になるのは炎症部位に於ける知覚過敏,すなわち痒覚過敏状態を疼痛神経線維の興奮性の亢進に基因すると解してよきやという点であるが,このように解釋するのがもつとも合理的な解釋であるという点に就て教室の清水(日皮会誌,69巻,1517,昭34)が詳しく述べた.ちなみに瘙性皮疹にともなう瘙と起痒性物質との関係に就てはなお疑問の余地を残すので,本論文に於いては起痒性物質のうちでとくに重要視されるペプタイド(蛋白に近い分子量を有するポリペプタドからジ・ペプタイド,トリ・ペプタイドの如き分子量の小なるペプタイドまでも包含する)と瘙性皮疹にともなう瘙との關係に就て述べよう.つぎに瘙とアミノ酸との関係に就ては敎室の清水がすでに論じたが,檢出不能に終つたアミノ酸が2,3あるので,清水の定量し得なかつたアミノ酸と瘙との関係に就ても述べることとする.
  • 嘉山 保
    1960 年 70 巻 9 号 p. 892-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    著者は本学農村厚生医学研究所によつて行われて来た農村の実態調査に関する綜合調査研究の中,特に海濱村の調査を分擔し,舊三浦郡長井村を研究の対象にとつた.それ等の調査に就ては既に報を追つて報告しているが,たまたまそれらの農村の実態調査中,著者は本地区学童に魚鱗癬の多発することを認め,本疾患の診断面に就ては本学皮膚科原田敎授以下の指導を得て,これ等の調査に着手した.本村は既に上記調査報告第1報に於いて述べた如く,三浦半島南部にあつて,北方及び西方は相模湾に面し,東北方は舊武山村に(現横須賀市武山),東より南にかけて舊初聲村(現三浦市初聲町)に境し,三浦郡葉山町と初聲町の中間に位して,行政上は近年横須賀市に属するに至つたとはいうものの実際は純農漁村である.即ち都会近隣地区として都会の消費に直結する農漁村である爲の相当富裕な半漁半農に牧蓄を加へた地区であるが,その生活は依然として農村の舊態を維持している.かゝる海濱地区にかくの如く魚鱗癬が多発することが何によつて起るかに就ては,目下のところ不明であるので,著者は本地区を研究の対象とした調査を進め,その結果に就て檢討を加えようとした.本報に於いてはまず学童の魚鱗癬多発状態に就て実態調査の結果に就て報告する.
  • 嘉山 保
    1960 年 70 巻 9 号 p. 905-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    著者は第1報にて報告した如く魚鱗癬の極めて多数発見された一海濱村横須賀市長井地区(舊三浦郡長井村)に於いて厳重なる学童調査を行つたところ,当地域の学童の魚鱗癬罹患率は軽症を含めれば実に全学童の30余%に達する高率を示すことを見出し,これを季節別,年齢別,性別,発生地域別等の観点から檢討してその結果を報告した.元来尋常性魚鱗癬に就ては以前から伊藤敎授等の研究があり,本症が遺傅性の疾患なることが云われて来た.著者も第1報で述べた如く,種々なる点から考えて当疾患が遺傅に関係を有するものらしいと云う予見を得た.一方著者が本学農村厚生医学研究所員として当地域に居住しつゝ医務を擔当している関係上,幸い本地域の人々と親しくしその動態に就ても明かであると云う特殊條件を有していたので更に本報に於いてはこれ等の本地域に於ける調査資料を基にし,当域の魚鱗癬罹患者の家系に就て鋭意調査を進め,これらに就て檢討を加えてみようとした.本調査に際して著者が特に留意した点は本疾患がその特徴として成年期以上になるとその症状が軽減し,時には全治することも少くないので,從つて調査時に於ける親の症状がかつてその小兒期に示した症状と較べ果してどの程度の差があるものかを認める点になると,これを客観的に記載することは殆ど不可能であると云う事であつた.故に本報に於いては先ず家系内の罹患関係を考察した成績に就て報告するに止め,それ以上の解析は更に今後の研究に俟つ事にした.
  • 嘉山 保
    1960 年 70 巻 9 号 p. 913-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    既に第1報に於いて述べた如く著者が農村厚生医学的研究の対象として取り上げた一海濱村(横須賀市長井地区)に於いて從来の報告を遙かに上廻る高罹患率の魚鱗癬患者が見出された.著者は之等の多数の患者に就て疫学的立場から調査を進めて来たが,その際著者は更に之等の尋常性魚鱗癬患者兒童の家系を抽出し檢討を試みたところ,その発生の形式は曽つて伊藤敎授等の指摘した通り遺傳的な要素を多分に示す事が認められた.然し乍ら,本地域は上述の如く極めて高罹患率の魚鱗癬の多発地帯であることを考えると,單に罹患者の家系を抽出する事だけからは或は却つて本疾患が遺傳であると断定することは出来ないのではないかと考えられた.即ち,かゝる多発地域に於いては親にも子にも同様の多発である筈であるから,この爲に抽出方法の如何によつては時に見掛けの遺傳家系を作製する危險がないでもないからであり,言いかえるならば,かゝる多発地域に於いてこそ,遺傳学調査に就いての注意としてb\々引用されるところの「白痴の親は飲酒する」の如き見掛けの因子の導入の危險を犯し易い点はこの際充分警戒されなければならない.この理由により著者は本村に於ける魚鱗癬が多発性のものであればある程,遺傳家系の抽出のみでこれより直ちに本症を遺傳と断定することに躊躇し,かゝる方法のみにより導かれる結論には可なりの危惧を抱いた.前からb\々述べた様に,日本農村に於ける尋常性魚鱗癬の発生頻度は全く不明であり,特に文化の低い地域でどの程度の罹患率が見られるかは未だ判つていない.伊藤敎授等の結論も大学病院を訪れた受診者に就ての統計である以上罹患家系を抽出する以外に方法がなかつたことは止むを得ないが,然し又,以上の見地から之等の結果と本地域の罹患状態を直ちに比較することが出来ない事も又当然であつた.勿論第2報で報告した如く,〔+〕以上の魚鱗癬罹患学童を1人でも有する家系102戸の中,調査完了家系74に就て親の病勢順に子の症状を分類檢討して見れば,親の症状の程度順に子供の症状の程度に軽減の傾向のあることは明かとなつたが,然し之等の中にも例外があつた事も事実であり,更に既にb\々述べて来た如く,元来本症が幼少期から思春期に移るに從つて,かなり軽快する場合の多いこと,又親の現症及び幼少時の症状に就ての供述と,子供の現症との間には信頼度に於いてかなりの程度に差があることを併せ考えると,家系圖的に解析することによつて,直ちに遺傳を論ずることの出来ない点も又この際考慮されねばならなかつた.幸い,著者の調査資料は全村に亘るものであつたので,遺傳関係を檢討する一つの決め手として一應考えられることは,研究の対象に子供のみをとり,就中,兄弟の発症状況に就ての調査結果のみをとつて之を解析することが考えられた.即ち,この種の解析に於いて先づ考えられる一つの方法は,本疾患の兄弟内に起る共発頻度を分布し,それが
  • 森山 正一郎
    1960 年 70 巻 9 号 p. 919-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
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    膏藥療法は皮膚病治療の主要部門をなすものであり,從つてその適應の正否は疾病の治癒を大きく左右するものであるにもかかわらず,多くの臨床家達は膏藥自身の性格や適用皮膚部位の如何を考慮することなく,専ら土肥(慶)敎授の定めた軟膏適用のセーマに則り,漠然とただ経驗敵にのみこれを使用していると言つても過言でない状態にある.勿論,既に表皮の欠損を有するが如き皮面では遺憾なる藥剤も容易に真皮内に侵入し得ることは論を俟たないが,表皮欠損のない様な皮膚の場合,一概に皮膚と言つても,例えば硬毛の密生せる頭皮,アポクリン腺により特徴を有する腋窩皮膚,全く毛嚢,脂腺をもたず,極めて豊富な汗腺と暑い角層,透明層を有することで独自な立場にある手掌,足蹠皮膚と一般毳毛部皮膚とでは自らその経皮浸透の態度にも生理的の差異の存することは想像に難くなく,又附属器の萎縮乃至消失を結果する様な皮膚萎縮乃至瘢痕や逆に表皮の肥厚,角質の増殖を伴うが如き病的皮膚にあつても健常皮膚の場合とは何らかの相違のあることも充分想像される.他面,今次大戰を境にして急速な進歩を遂げた界面活性剤の研究と高分子合成化学の発達とは,從来の油脂性基剤に代る数多くの新型軟膏基剤を世に送り,皮膚病の膏藥療法に一大革命をもたらしたのかの感が深く,從つてこれら新型軟膏基剤を中心に改めて軟膏適應法則の改定が望まれ,これに伴つて泰西に於いても軟膏吸收の研究が大きくとり上げられ,わが國でも小堀とその共同研究者,野北等により,現在わが國で用いられつゝある殆ど全ての基剤を網羅した廣範に亘る経皮浸透の研究が行われている.蓋し,経皮浸透に関する研究の歴史は既に150年以上の昔にさかのぼり,この間軟膏基剤の変遷と相俟つた不断の研究が繰り返えされ,幾多のすぐれた業績発表がなされたことは誠に枚擧に遑ない有様である.これら先人の努力と逐次精緻化されて来た研究方法とによつて経皮浸透の全貌も次第に明るみに出されつゝあるが,なお,2,3の点に就ては必ずしも一致した見解には達していない.著者は舊くより論争の対稱となつている経皮浸透の経路,即ち一部の人々が今日なお主張している様に藥物は表皮を経て真皮に達するものであるか又は毛嚢-脂腺系を経て浸透するものであるかを決定すると共に経皮浸透に於ける汗腺の意義を追究する目的でこの実驗を行つた.
  • 宮沢 寅男
    1960 年 70 巻 9 号 p. 931-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    所謂汗疱様疾患(以後單に汗疱と記載す)は数種の相異なつた疾患群で,諸家により原因菌的に,或いは臨床的に幾多の分類が提唱されている.私は横山氏の分類による汗疱状白癬に病像が一致し,小水疱が存在する症例を選び,その135例に就て主なる臨床症状,並びに135例中43例に就て組織学的檢索を行つて新知見を得たので報告する.
  • 小杉 善之助
    1960 年 70 巻 9 号 p. 956-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    Fitzpatrick et al.が人体皮膚に大量の紫外線を照射することにより組織化学的にチロジナーゼ反應を初めて証明して以来諸氏により追試証明された.次に此の知見より発して種々な藥物による皮膚チロジナーゼ反應に及ぼす影響が檢索され,紫外線以外の活性化する物質が報告された.一方私は,尋常性白斑の研究に於いて加納敎授がメラノサイトのメラニン形成能は神経に依り支配されると云う假説を発表した点から,自律神経終末部からの分泌物質中目下既知の物質アドレナリン及びノルアドレナリンがメラニン形成に関與するのではないかと推測し,実驗を行つた所此の兩者の或比率に於いてメラニン形成能を活性化する能力があることを知つたので,此処に報告する次第である.
  • 1960 年 70 巻 9 号 p. 964-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
  • 1960 年 70 巻 9 号 p. 191e-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
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