日本皮膚科学会雑誌
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82 巻, 2 号
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  • 麻生 和雄, 岡崎 忠靖
    1972 年 82 巻 2 号 p. 71-
    発行日: 1972年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    1)0.1%A酸軟膏をモルモット皮膚に塗布した結果,表皮細胞はまず著明なmitosisをもって反応,ついで酵素活性の増加が続いたのち3日後,表皮のhyperplasiaが最高に達した.この間基底細胞のturn overは著しく高められ,オートラジオグラフィー所見でとりこまれたH3-thymidineは4~5時間で角層に達する所見を得た.2)A酸軟膏の塗布を連日続けてゆくと表皮のA酸によるこのような反応性は次第に失われ,7~14日では対照と比べむしろ低下した.これらの反応性の上昇,低下はA群(アルコール,アルデヒド)のうちA酸が最も著明であった.すなわちA酸軟膏塗布により,表皮は早期の反応性の亢進および後期の反応性低下の2つの反応を示した.3)14C-A酸軟膏塗布により,尿中14Cの排泄,およびオートラジオグラフィーでA酸の経皮吸収を証明した.尿中14Cは14C-A酸グルクロネートであった.尿中に急速に大量排泄される割には,表皮に留まるA酸は少量であった.しかし14C-A酸軟膏を連日塗布してゆくことにより,表皮内14C-A酸はやや増加した.すなわち経皮吸収されてから表皮細胞の核に影響を与えた後,早急に代謝排泄されると推定しえた.表皮に認められた14C-A酸は特に核分画に24,48時間,5,14日後集中するという成績は得られなかった.またin vitroで14C-A酸およびA酸カリウム塩は表皮ホモジネートで代謝されなかった.4)1.in vitroでA酸およびそのカリウム塩は,表皮脂質合成酵素を0.25μM以上で著明に抑制し,その抑制は添加A酸濃度に比例した.5)A酸およびそのカリウム塩はin vitroでcalf thymus DNA type Ⅰとは結合せず,部分的にdenatureされたDNAとはわずかな結合性を示した.6)A酸軟膏のいわゆる抗角化作用を,表皮に与える初期の反応からは,A酸が生理的なstimulantとして,表皮細胞のmitotic phaseを亢進させる結果,functional phase(角質生成)が相対的におさえられる結果と解し,軟膏連用による後期の反応からは,むしろ表皮の反応性の低下作用から説明し得ると考えた.
  • 山田 瑞穂, 丹羽 靱負, 藤本 典男, 吉永 花子
    1972 年 82 巻 2 号 p. 83-
    発行日: 1972年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    抗原添加リンパ球培養における幼若化現象は,個体の抗原に対する感作の状況を知る信頼できる現象であるといわれる.従来,アレルギー性接触皮膚炎において,接触感作源の証明には,in vivoの貼布試験が利用されていたが,一次性刺激,Koebner現象等を無視できない.われわれは,これら因子の関与しないin vitroの抗原添加リンパ球培養を試みた.
  • 1972 年 82 巻 2 号 p. 87-
    発行日: 1972年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
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