日本皮膚科学会雑誌
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112 巻 , 11 号
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生涯教育講座
  • 三橋 善比古
    原稿種別: 生涯教育講座
    2002 年 112 巻 11 号 p. 1461-1466
    発行日: 2002/10/20
    公開日: 2014/12/27
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    Recently, the importance of hereditary diseases in clinical medicine has become more recognized. The reasons for this current tendency may include conditions such as the lesser number of children in a family, decrease in mortality rate due to infectious diseases in the newborn period, and recent advances of molecular biology, which allows us to deal with genetic problems. Gene therapy is not longer a dream for the treatment of genetic diseases. A few diseases are already being treated with gene therapy. However, these technical advances are applied to only a limited area of genetic medicine, which includes not only serious heritable diseases but also mild ones that are treatable with conventional therapies. Misinformation about genetic medicine propagated by the mass media easily misleads the people who have problems with genetic diseases. Thus, technical advances in basic medicine without a consensus of an acceptable philosophy has brought confusion in to the clinical fields of genetic medicine. Genetic counseling can bridge the world of advanced basic medicine and the present status of clinical medicine. Genetic counseling is a process of dialogue between a genetic counselor, who is a specialist in medical genetics, and a counselee, who has a problem with a genetic disease in his family member or himself. Genetic counseling can give evidence-based information on the mechanism and social backgrounds of an inherited disease. Not only does it give reasonable information, genetic counseling can also psychologically support those people who are facing genetic problems and help their autonomous decisions about the options for an appropriate future for the next generation.
原著
  • 橋本 喜夫, 木ノ内 基史, 高橋 英俊, 松尾 忍, 川岸 尚子, 岸山 和敬, 広川 政己, 宮本 健司, 飯塚 一
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 11 号 p. 1467-1473
    発行日: 2002/10/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    旭川医科大学皮膚科及び関連施設を受診したマダニ刺咬症を6年間にわたり700例集積し,疫学的検討を試みた.マダニ虫体が残存した場合はマダニの種の同定および虫体のボレリア培養を施行し,マダニ虫体が残存しない場合は刺咬部皮膚を切除し,皮膚のボレリア培養を施行した.マダニ刺咬症は5~7月に集中し,6月が好発時期であった.刺咬部位は頭頸部が232例(34.8%)と最も多く,小児例では特に頭頸部が79.3%とさらに多く,罹患部位に偏りがみられた.マダニ種は366個体を同定し,そのうち303個体(81.6%)がIxodes persulcatus(IP:シュルツェマダニ)であった.培養できたIP 213個体中,26個体(12.2%)が有毒(ボレリア陽性)であった.マダニ刺咬症700例中56例(8.0%)にライム病が発症し,医療機関受診までの期間が20日に及ぶ症例群や,患者自身が受診前に不適切に処置した症例群にライム病発症率が高いことが統計学的に示された.
  • 越後 岳士, 蕪城 裕子, 島田 由佳, 竹原 和彦
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 11 号 p. 1475-1479
    発行日: 2002/10/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    脱ステロイド療法を行っていたが,不成功に終わったアトピー性皮膚炎患者の現在の治療状況と入院前後のQOLの変化を比較した.他の医療機関等による各種脱ステロイド療法にて増悪後,1995年から2000年までに当科にて入院治療を行ったアトピー性皮膚炎患者80名(男性32名,女性48名)にアンケート調査を行い,現在の治療状況と入院前後のQOLを比較した.入院時年齢は6カ月から44歳(平均20.0歳),入院期間は4~46日(平均16.6日)であった.脱ステロイド療法は,皮膚科医によるものが9名,皮膚科医以外の医師によるものが43名,特定の民間企業によるものが15名,患者自身が購入した市販品などによるものが13名であった.調査の結果,かゆみの強さ,仕事や学業における集中力,治療やスキンケアにかかる費用・時間ともに改善しており,ステロイドとタクロリムスを中心とした外用療法に対し満足しているという結果が得られた.当院での治療・教育をかねた入院治療により,その後の患者のQOLは著しく改善した.また,日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」に基づくステロイドとタクロリムスを中心とした外用療法により良好な状態を維持できることが示された.
  • 藤井 秀孝, 佐藤 伸一, 竹原 和彦
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 11 号 p. 1481-1486
    発行日: 2002/10/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    皮膚硬化が進行中であるdiffuse cutaneous systemic sclerosis(dSSc)の7例(1例を除いて罹病期間が2年以内の早期例)に初期量20~30mg/日の経口ステロイドを投与し,そのうちの皮膚効果が高度な4例ではd―ペニシラミン200~300mg/日を併用した.発症より早期で,浮腫性硬化が主体のlimited cutaneous SSc 3例に対しても,同様に傾向ステロイドを投与した.4~20週後には全例で皮膚硬化は著明に改善し,ステロイドを5~10mg/日の維持量へ減量後も再燃は認められなかった.また,罹病期間が長く皮膚硬化は平衡状態であった2例でも,間質性肺炎あるいは単神経炎に対し経口ステロイドが投与され,皮膚硬化が改善した.さらに,中毒性表皮壊死融解症に対してステロイドパルス療法を1クール施行した1例でも,皮膚硬化は著明に改善した.ステロイドの副作用ではステロイド糖尿病と大腿骨頭壊死が各1例に,d-ペニシラミンでは中毒性表皮壊死融解症が1例に認められた.dSScの皮膚硬化に対して,特に早期例に対しては,少量あるいは中等量の経口ステロイドが有用であると考えられた.
  • 新井 達, 勝岡 憲生, 浅井 寿子, 関根 敦子, 衛藤 光, 新井 春枝
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 11 号 p. 1487-1492
    発行日: 2002/10/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    北里大学医学部皮膚科で近年経験した新生児エリテマトーデス(以下NLE)患者2例について報告する.さらに自験2例を含めて,当科で過去20年間に経験したNLE患者8例について,性別,皮疹の推移,肝機能障害や心疾患の有無,各種自己抗体の出現頻度,患児の長期予後,分娩直後における母体の状態などの項目について集計し,検討を行った.男女比は1:7と明らかに女児優位であった.皮疹は生後1カ月前後に明瞭となり,生後6カ月前後で消退する傾向がみられた.心疾患の合併例はなく,肝機能障害は4例にみられたが,いずれの症例も経過観察のみで軽快した.母体はSjögren’s症候群単独6例,RAを合併したSjögren’s症候群1例であった.患児最年長者は現在14歳であるが,明らかな自己免疫疾患を発症した症例はみられていない.しかし,抗核抗体持続陽性例3例,消失した後に3歳頃から再度陽性に転じた症例も2例みられており,NLE患者を診察する際には長期にわたる経過観察が必要であると考えられた.
  • 四方田 まり, 樋口 雅子, 森 理, 橋本 隆
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 11 号 p. 1493-1499
    発行日: 2002/10/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    私共は1996年から2001年の5年間に18例の落葉状天疱瘡患者に対してDDS内服療法を施行した.14例にDDSの有効性が認められ,4例ではその効果が不明であった.有効例14例のうち5例はDDS単独投与を行い,9例はDDS投与に比較的少量の経口ステロイドを併用した.DDSの重篤な副作用はなかった.DDS投与後新たに貧血を認めたのは9例,肝機能障害が出現したのは1例であった.貧血が出現した9例のうち,5例は治療せずに正常化し,4例もDDS投与は中断していない.落葉状天疱瘡の治療においてDDSは有効であると考えた.
  • 坂巻 剛
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 11 号 p. 1501-1505
    発行日: 2002/10/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    非侵襲で皮膚内部の断面像が観察可能なin vivo共焦点レーザー顕微鏡を用い,健常女性身体各部位の皮膚を対象とし,その内部構造について検討を実施した.20歳~30歳代の健常女性14名の前腕伸側部・上腕屈側部・顔面頬部について,表皮の厚さ,真皮乳頭の深さ・幅・密度を計測した.その結果,角層の厚さについては部位による差はなかったが,表皮全体の厚さでは,前腕伸側部で他の部位と比較して厚いといった部位差が認められた.また真皮乳頭層の形状は,前腕伸側部では,幅の狭い真皮乳頭が密に存在していたのに対し,上腕屈側部では幅広く浅い真皮乳頭が,顔面頬部では幅の狭い真皮乳頭が広い間隔でまばらに存在しており,その形状は部位により異なっていた.これらの観察結果から,身体各部位の表皮の厚さや真皮乳頭層の形状を決定する要因として,表皮増殖の程度に加え,他の因子も関与している可能性が示唆された.
学会抄録
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