日本皮膚科学会雑誌
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81 巻 , 12 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 斎藤 信也
    1971 年 81 巻 12 号 p. 1047-
    発行日: 1971年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    カンジダに属する菌種の分類,同定は主として形態,醗酵,同化作用などの生物学的諸性状に基づいており,Martin & JonesやLodder & Kreger-van Rijなどの方法が一般に行なわれている.以前から血清学的方法にも注目されてはいたが,分類,同定の根拠にはなし得なかつた.しかし土屋らは因子血清を用いたslide凝集反応によつて,血清学的同定,分類への道をひらいた.一方Coonsらによつて開発された蛍光抗体法はEvelandらによつてCryptococcus neoformansに応用され,真菌の分野においても同定に対して有用な方法であることが認められ,Sporotrichum(Kunz)やTrichophyton(三浦,Walzerら)などによつても用いられている.カンジダ菌に関してはGordonが菌種の鑑別,同定に本法を用いたのが始まりであり,培養した菌については勿論のこと,更に臨床材料中のカンジダ菌検出による迅速な診断,迅速な菌種同定も試みられている.しかし本法による同定の対象となつた臨床材料は,腟,口腔内容塗抹標本を除けば,組織切片標本に限られている.本研究においては皮膚および爪カンジダ症を対象とし,病変部から採取した鱗屑または爪片に直接蛍光抗体法を施し,原因菌の迅速な同定を試みた.
  • 清水 夏江
    1971 年 81 巻 12 号 p. 1057-
    発行日: 1971年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    Systemic lupus erythematosus(SLE)については免疫血清学的,内分泌学的に,更に遺伝学的見地からも数多くの研究が成されている.臨床的には,全身諸臓器の侵襲と共にしばしばリンパ節腫大を来たすことは良く知られているが,Duboisらは13年間に520例のSLEを経験し,関節炎,発熱,皮膚病変に次いでリンパ節腫大が多く見られ,その頻度は58.6%と報告している.一方exfoliative dermatitis(E.D.)においても著しいリンパ節腫大を見ることは古くJadassohnにより報告され,これについては一般病理検査による組織学的観察が数多く成されており,正常濾胞構造の破壊,細網細胞の増殖,メラニン,脂肪の沈着がその特徴とされている.しかしその意義については十分な論議はされておらず,皮膚の原疾患との関連についてもまとまつた知見は得られていない.著者はいわゆる自己免疫疾患の1つとされているSLEと皮膚の非特異的炎症によりリンパ節腫大を来たすと考えられるE.D.のリンパ節を主とし,更に肉芽腫を形成するlymphadenitis colli tuberculosa(TB),sarcoidosisのリンパ節についても酵素組織化学的検索を試み,これらと比較しつつSLE,E.D.のリンパ節の組織化学的変化の意義について,殊に免疫学的立場から検討し,併せて皮膚病変部をも組織化学的に観察して,リンパ節の変化との関連を追求した結果をここに報告する.
  • 斎藤 胤曠, 樋口 光弘, 丸山 光雄
    1971 年 81 巻 12 号 p. 1070-
    発行日: 1971年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    1906年Wassermannらによつて創案された先天梅毒胎児の肝抽出エキスを抗原とする血清の補体結合反応,いわゆるWassermann反応は,爾来60余年間実にさまざまの変遷を受けて今日の梅毒血清反応となつたのであるが,特に近年その生物学的偽陽性を脱却して特異性を高めようとする工夫から,梅毒トレポネーマを抗原とする諸術式が案出され,梅毒血清反応に対する考え方に大きな転機が訪れている.現在わが国で知られている主な梅毒の血清学的検査法を水岡は整理して表1としたが,使用する抗原をCardiolipin-LecithinとするSTS(serologic tests for syphilis)即ちnon-treponemal reactionと抗原がTreponema pallidum(以下TPと略記)そのもの,またはTPからの抽出物であるtreponemal reactionの2つに大別される.そしてこれらの反応で検出される抗体は同一のものではないと考えられている.例えばTPそのものを抗原とするTPIは1949年Nelson and Mayerによつて考案された劃期的反応であるが,彼ら自身Eagle抗原を用いての吸収試験によりその前後のTPI抗体価に変動のないことを確認しており,中村も梅毒血清からVDRL抗原(Cardiolipin抗原)でいわゆるレアギンを吸収した前後のTPI価が変動しない事実や,Cardiolipin-Lecithin抗原と梅毒血清との沈殿物を家兎に静注しSTS陽性としてもTPIは陰性であること,さらにSTS,TPI共に陽性のヒトおよびウサギ血清からレアギンを分離精製しても,このレアギンはTPI陰性であることなどを見出しているからである.またその他のtreponemal reactionのうちTPIA抗体についてはNelsonが,TPCF抗体についてはPortnoy and Magnusonが,RPCF抗体についてはMillerが何れもレアギンと異なるものであることを記載している.TPHA抗体についてはこの術式を確立した富沢が吸収試験,家兎免疫実験からやはりCardiolipin反応抗体との関係はなさそうであると主張しており,FTA抗体でも樋口・皆見らはVDRL抗原で吸収してもFTA価にほとんど変化をみないことから,レアギンとは別のものであることを認めている.
  • 古谷 達孝, 池田 重雄
    1971 年 81 巻 12 号 p. 1081-
    発行日: 1971年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    表皮ならびに皮膚付属器,特に毛嚢脂腺系組織を真皮より剥離する方法の1として,2N-NaBr溶液浸漬法があり,このものはまた表皮メラノサイト観察法として極めて優れた方法であることは既にStariccoらの指摘するところである.しかしながら2N-NaBr溶液に切除後直ちに浸漬された皮片の表皮メラノサイトのDOPA反応(染色)反応性,換言すれば表皮メラノサイトのDOPA反応(染色)可染性が如何に長期間に亘つて保持されるかについては未だ判明していない.筆者らはこれを確めるために下記の実験を行なつた.
  • 長島 正治, 松岡 滋美
    1971 年 81 巻 12 号 p. 1082-
    発行日: 1971年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    いわゆる顆粒変性なる病理組織学的所見が,水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症の特徴的所見であることはよく知られている.一方,かかる組織所見が列序性角化母斑,Vomer型先天性掌蹠角化腫またisolated epidermolytic acanthomaなどにもみとめられることも周知のことである.
  • 川田 陽弘, 小川 秀興, 森 俊二, 林 懋
    1971 年 81 巻 12 号 p. 1084-
    発行日: 1971年
    公開日: 2014/08/26
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    近時リンパ性白血病,Hodgkin病などのリンパ細網系腫瘍の患者についての免疫学的研究は色々興味ある知見をもたらした.これに比較して皮膚のリンパ細網系腫瘍殊に菌状息肉症についての免疫学的研究はすくない.菌状息肉症の患者がツ反応陰性を呈する頻度の高いことは以前から知られており,更にRostenbergらは真菌の菌体成分による皮内反応も陰性を呈する頻度の高いことを報告している.しかしVan Scottとその協同研究者による最近の一連の研究では,同種皮膚移植,ジニトロ・クロールベンゼンによる感作試験,各種の菌ワクチンによる皮内反応を用いた遅発型過敏性に異常を認めず,また血清抗体の産生能にも殆ど異常を認めなかつた.一方Leverら,Arendsらは少数例ではあるが,本症患者の血清γ-グロブリンの増量を報告,更に最近Blaylockらは血清のIgAの増加傾向を報告している.今回著者らは経過を追つて検索した本症8例につき,γ-グロブリン,IgG,IgA,IgMを検討し,あわせて4例の皮膚細網肉腫,2例のリンパ肉腫についての検査結果と比較検討した.
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