日本皮膚科学会雑誌
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92 巻, 8 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 長谷川 和義, 市橋 正光
    1982 年 92 巻 8 号 p. 843-
    発行日: 1982年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    CPZ phototoxicity を正常ヒト由来培養線維芽細胞の lysosome に及ぼす効果より検討した.培養細胞における ACPase 活性は 12,000g 沈値で最も高い.さらに同沈・g ACPase 活性は CPZ 10μg/ml 添加, UVA 6J/黴€3 照射(細胞致死量以下)の条件で無処置群, UVA のみ照射群および CPZ のみ添加群の全ての対照群に比し著明に低下し,その効果は CPZ 濃度, UVA 線量に相関した.更に CPZ+UVA は lysosomal membrane 損傷惹起のみならず, ACPase そのものを失活させることを示す結果を得た.また lysosomal membrane 損傷は freeradical,singlet oxygen の作用に.基づく事が示唆された.
  • 柳原 誠, 森 俊二
    1982 年 92 巻 8 号 p. 851-
    発行日: 1982年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    ① 斑状アミロイドーシス92例についてダイロン染色を行い,アミロイドと表皮基底細胞の関係について検討し,さらに内3例について電顕的に観察した. ② 真皮乳頭にみられるアミロイドは基底細胞から下方へ流れる様に一定の方向性をもって配列する傾向かあり,1例において1個の基底細胞から垂れ下る水滴のような形を取っていた. ③ 基底細胞に接するアミロイドは下層のものより小型である傾向があった. ④ 電顕的には micro-dermal papilla 内にアミロイド束をみた. ⑤ 斑状アミロイドーシスのアミロイドの一部は表真皮境界で形成される可能性を考えた. ⑥ アミロイドの前駆物質は基底細胞より分泌される可能性を推測した,
  • 穐利 豊, 松尾 聿朗, 大城戸 宗男
    1982 年 92 巻 8 号 p. 861-
    発行日: 1982年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    皮表に存在するワックスエステル(WE)量とその脂肪酸組成を若年者と老年者で比較することにより,加齢による脂腺機能の変化をみた WE 量は老年者では若年者に比べ低値を示すが,皮表脂質全体に対する重量比は若年者と変わらなかった.その脂肪酸組成も加齢による変化はなかったか,トリグリセライドの脂肪酸組成に比べると,不飽和脂肪酸の占める割合が多く,WE の皮表での生理的役割りを示唆するものと考えた.また,皮表 WE 量は,脂腺機能の示標の1つになり得ると考えた.
  • 志賀 暁子, 松本 修一, 上田 宏, 志賀 潔, 二科 安三, 亘 弘
    1982 年 92 巻 8 号 p. 865-
    発行日: 1982年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    リボフラビン結合蛋白(RBP)と8-メトキツソラーレン(8-MOP)の相互作用を分光学的方法により検討した. RBP と 8-MOP は 1:1 の割合で非共有結合的(可逆的)に結合し,その解離定数は 6,7×lO-7M であった. 8-MOP の存在は RBP とビタミン B,(ルミフラビン)の結合に影響を与える.即ち 8-MOP は RBP に結合したルミフラピソ(Lf)の解離を促進させる.また同様に Lf は 8-MOP の RBP からの解離を促進する.これらの研究は分光学的に行えるので極めて精度よく,かつ短時間で測定することが可能であり,従ってこの反応系は 8-MOP- 蛋白相互作用研究のための良いモデル系であると考えられる. 以上のモデル実験に基き, 8-MOP の生体内移送について考察した  
  • 藤澤 重樹
    1982 年 92 巻 8 号 p. 871-
    発行日: 1982年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    近交系モルモット Hartley/F に確立した可移植性腫瘍 U-1 細胞を静注して肺腫瘍を形成せしめ,種々の条件下で BCG 生菌を頻回に経口投与して,その抗腫瘍効果について検討した. モルモットに大量の BCG を長期間頻回に直接胃内投与しても副作用はみられず,速やかにツベルクリンアレルギーの感作が成立し,亢進することが判った.腫瘍の免疫療法の実験では BCG を口腔内に頻回投与した際,ツベルクリンアレルギーの前感作処置動物にのみ抗腫瘍効果が認められた.しかし BCG を直接胃内に頻回投与した場合には,ツベルクリンアレルギーの前感作処置の有無にかかわらず,抗腫瘍効果が認められた.また最初に大量のBCGを直接胃内に投与すれば,それ以降は BCG の投与量を少量にしても抗腫瘍効果のみられることが判った BCG の直接胃内投与と Mitomycin C を併用した化学免疫療法を行うと Mitomycin C .を単独に用いた場合よりその抗腫瘍効果が有意に認められた以上のことから BCG を直接胃内投与すれば速やかにツベルクリソアレルギーが亢進し,腫瘍の生着阻止及び増殖抑制効果のあることが明らかとなった.
  • 竹原 和彦, 中林 康青, 石橋 康正, 諸井 泰興
    1982 年 92 巻 8 号 p. 883-
    発行日: 1982年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    22例の限局性強皮症について, Hela 細胞やマウス腎を基質とした蛍光抗体間接法,二重免疫拡散法等の方法により,抗核抗体を検討した Hela 細胞を基質とした蛍光抗体間接法では72.7%と高率の陽性率を得た.病型別では morphea 50%, generalized morphea 100%,linear scleroderma 75% であった.マウス腎を基質とした場合の陽性率は50% であった. Generalized morphea では homogeneous pattern,linear scleroderma では,speckled pattern がしばしば観察された.抗 centromere 抗体,抗 RNP 抗体,抗Sm 抗体,抗 Scl-70 抗体,抗 SS-B 抗体はすべて陰性であった.限局性強皮症において認められる抗核抗体は,全身性強皮症において一般的に検出されるものとは異なっていた,
  • 土屋 秀一, 芋川 玄爾, 市橋 正光, 藤原 美定
    1982 年 92 巻 8 号 p. 889-
    発行日: 1982年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    色素性乾皮症(XP)は DNA 損傷修復欠損度(unscheduled DNA synthesis,UDS)にかなり相関した最少紅斑量(MED)の低下を示すが,その機序は明らかではない.今回,正常および UDS 活性の異なる XP 由来線維芽細胞を用い,中波長紫外線(UVB)照射後,培養液中に遊離する prostaglandin (PG) E2, F2 の量および arachidonic acid の挙動より PG 代謝を追求し,各々の細胞が由来する患者の MED と対比解析した.その結果,① UVB を 0~0.15J/黴€3 照射し,24時間後に培養液 1ml 中に遊離するPGE,の radio immunoassay では,正常 : 0~20pg, XP 30KO (variant) : 20~30pg,XP 24KO (E群?) : 30~190pg, XP IIKO (A群) 70~200pg とほぼ UVB 領域での MED 低下と一致する傾向を認めた.② PGF2,についてもXP llKO (A群)で UVB による最も高い遊離を認めた.③UVB 照射後 indomethacin 添加培養液で培養すると.PGE2,PGF2αの遊離は完全に抑制された.④ PGE2,PGF2α の前駆体である 3H-arachidonic acid で細胞を標識し, UV-B 照射後培養液中に遊離する radio activity を薄層クロマトグラフィーにて解析した結果 radio im・munoassay の結果と一致して,由来 XP の MED 低下度とほぼ相関する遊離 radio activity の増大を PGE2,PGF2α分画で認めた.以上より XP の MED 低下に PG 代謝の関与が強く示唆された.
  • 1982 年 92 巻 8 号 p. 899-
    発行日: 1982年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
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