日本皮膚科学会雑誌
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120 巻 , 14 号
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皮膚科セミナリウム 第68回 リンパ腫
  • 石井 千寸, 瀬戸山 充
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第68回 リンパ腫
    2010 年 120 巻 14 号 p. 3063-3071
    発行日: 2010/12/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    近年の分子生物学的,遺伝子学的手法の急速な発展はリンパ腫の研究にも多大なる影響を与え,従来の形態学的手法に加え,分子生物学的,遺伝子学的並びに臨床的特徴を加えた分類がなされるようになってきた.皮膚科領域においてはWHOとのコンセンサス分類としてWHO-EORTC分類1)が2005年に発表されている.その後2008年には新WHO分類が発刊されたが,皮膚リンパ腫分類としてのWHO-EORTC分類とは病型の呼称や位置付けに若干の違いがみられる.また,実際のリンパ腫診療においては日本皮膚悪性腫瘍学会がまとめた皮膚リンパ腫のガイドライン(皮膚悪性腫瘍診療ガイドラインII:皮膚リンパ腫)が作成されている(現在改訂中).ここでは皮膚リンパ腫を中心にリンパ腫の見方,考え方について若干のup to dateな知識を追加しつつ紹介した.
  • 中山 樹一郎, 今福 信一
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第68回 リンパ腫
    2010 年 120 巻 14 号 p. 3073-3079
    発行日: 2010/12/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    菌状息肉症の特異な臨床経過,病理組織像を概説した.古典型以外にセザリー症候群などの亜型があり,診断には注意を要する.鑑別すべきリンパ腫疾患を挙げた.治療方針の決定に重要な最近の病期分類を示した.病期に応じた治療法について,外国で承認されている薬剤なども含めて表にして示した.今後の展望として本腫瘍性リンパ球の免疫生物学的特性の研究の重要性について述べた.
  • 濱田 利久, 岩月 啓氏
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第68回 リンパ腫
    2010 年 120 巻 14 号 p. 3081-3089
    発行日: 2010/12/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    皮膚リンパ腫では菌状息肉症をはじめとするT/NK細胞リンパ腫の頻度が高く,B細胞リンパ腫はその割合が低い.皮膚B細胞リンパ腫を取り扱う際に最も重要なポイントの一つに生命予後の問題がある.原発性皮膚濾胞中心リンパ腫と(原発性皮膚)辺縁帯B細胞リンパ腫は,非常に予後が良いために,“indolent”群として扱われる.一方,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は予後不良で全身療法の対象になる.
特別寄稿
原著
  • 島田 遼子, 菊地 克子, 大谷 朋之, 水芦 政人, 芳賀 貴裕, 相場 節也
    原稿種別: 原著
    2010 年 120 巻 14 号 p. 3097-3101
    発行日: 2010/12/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    3カ月男児.2008年3月22日正常分娩で出生.出生時より左臀部に単純性血管腫を認めた.生後5日目から同部位に潰瘍が出現し,近医で外用剤による局所治療を受けていたが改善せず,徐々に肛門周囲に拡大し,さらに下痢の出現と共に急速に増悪したため当科を紹介され受診した.眼囲や口囲に皮疹はなく,また血清亜鉛は58 μg/dlと正常下限であり,腸性肢端皮膚炎は否定的であった.排便,排尿毎の頻回の処置ならびに便や尿,外用剤による刺激が潰瘍の悪化因子になっていると考え,バリケア®パウダーによる局所治療を行い処置回数を減らしたところ潰瘍は著明に改善した.臀部や外陰部の潰瘍では,吸水作用を持ち病変部への便刺激を最小限に抑えるよう工夫された皮膚保護剤も適応となりうると考えた.
  • 綿貫(工藤) 沙織, 宮本 樹里亜, 石橋 正史, 陳 科榮
    原稿種別: 原著
    2010 年 120 巻 14 号 p. 3103-3108
    発行日: 2010/12/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    72歳,男性.3週間前より,両手背の自覚症状を伴わない,一部びらん・潰瘍を伴う紅斑局面が出現し,当科を受診した.発症7週間後,手背の紅斑局面は壊疽性膿皮症様病変を呈した.両下肢にもびらんと痂皮を形成する紅斑が多発し,紫斑性丘疹,膿疱を伴う毛囊炎様皮疹も認めた.また手掌・足底に掌蹠膿疱症様皮疹も合併した.手背の紅斑局面と下腿の紅斑の病理組織学的所見では真皮膠原線維の融解像を伴い,真皮全層に稠密な好中球浸潤像を呈した.下腿の紫斑性丘疹は真皮浅層の血管を中心とした血管炎の所見を呈した.Minocycline 200 mg/日内服,ステロイド軟膏外用等で全ての皮疹は瘢痕を残さずに治癒した.自験例は両手背の潰瘍性紅斑局面と下腿の紅斑局面,紫斑性丘疹,毛囊炎様皮疹,掌蹠膿疱症様皮疹などの多彩な好中球性皮膚症の皮疹を伴い,表皮及び真皮における好中球浸潤のパターンが多様であったためと考えた.手背の非定型抗酸菌症にも類似した病変から発症した自験例のように,好中球性皮膚症は時に多彩な臨床像を呈し,診断に注意を要する.
  • 浦部 由佳里, 藤山 幹子, 白方 裕司, 村上 信司, 橋本 公二, 中村 舞, 西尾 有紀子
    原稿種別: 原著
    2010 年 120 巻 14 号 p. 3109-3114
    発行日: 2010/12/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    31歳,男性.難治性尋常性乾癬のため,初診の1998年より入退院を繰り返し,副腎皮質ホルモン外用,ビタミンD3外用,エトレチナート,メトトレキサート内服等で治療していた.2004年,高熱と共に乾癬病変内に多数の疼痛を伴う膿疱と口腔内びらんが出現した.カポジ水痘様発疹症と診断し,アシクロビルの点滴で軽快するも,1週間後口腔内びらんが増悪し,体幹では乾癬の紅斑性局面の辺縁に水疱,びらんが出現した.皮膚生検と直接蛍光抗体法の結果から尋常性天疱瘡と診断し,プレドニゾロン60 mg/日内服とメチルプレドニゾロンパルス療法で軽快した.尋常性乾癬に尋常性天疱瘡を合併することはまれであるが過去に報告があり,合併例のほとんどでは乾癬が先行していた.また,単純ヘルペスウイルス感染が天疱瘡診断の契機となった報告もいくつかあり,本症例もそれに合致すると考えた.
  • 中村 吏江, 森本 謙一, 堀 郁子, 米原 修治, 鼻岡 佳子
    原稿種別: 原著
    2010 年 120 巻 14 号 p. 3115-3120
    発行日: 2010/12/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    60歳,女性.右大陰唇から肛門周囲にかけて紅斑及び糜爛あり,皮膚生検にて表皮内にPaget細胞が存在した.泌尿器科,婦人科,内科的に異常なく,皮膚原発の乳房外Paget病Stage IA(T1N0M0)と診断した.皮膚悪性腫瘍診療ガイドラインに従って治療方針を検討したが,膝関節,股関節の拘縮が強く,手術及び放射線治療は,体位がとれないため施行できなかった.そこでイミキモド5%クリーム外用を検討した.週3回イミキモド5%クリームを病変部及び周囲に7時間塗布し,その後洗浄した.外用治療を計18回(6週間)施行後,臨床像は改善し,組織学的に腫瘍細胞の消失を確認した.治療後5カ月経過したが,腫瘍の再発はなかった.皮膚悪性腫瘍診療ガイドラインでは,乳房外Paget病にイミキモド5%クリームの外用治療は積極的に推奨されていないが,標準的な治療が適応できない場合には,試みてもよい方法と思われる.
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