近年の分子生物学的,遺伝子学的手法の急速な発展はリンパ腫の研究にも多大なる影響を与え,従来の形態学的手法に加え,分子生物学的,遺伝子学的並びに臨床的特徴を加えた分類がなされるようになってきた.皮膚科領域においてはWHOとのコンセンサス分類としてWHO-EORTC分類
1)が2005年に発表されている.その後2008年には新WHO分類が発刊されたが,皮膚リンパ腫分類としてのWHO-EORTC分類とは病型の呼称や位置付けに若干の違いがみられる.また,実際のリンパ腫診療においては日本皮膚悪性腫瘍学会がまとめた皮膚リンパ腫のガイドライン(皮膚悪性腫瘍診療ガイドラインII:皮膚リンパ腫)が作成されている(現在改訂中).ここでは皮膚リンパ腫を中心にリンパ腫の見方,考え方について若干のup to dateな知識を追加しつつ紹介した.
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