日本皮膚科学会雑誌
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121 巻 , 4 号
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皮膚科セミナリウム 第71回 角化症
  • 秋山 真志
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第71回 角化症
    2011 年 121 巻 4 号 p. 667-673
    発行日: 2011/04/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    魚鱗癬は白色から褐色,黒色調の魚の鱗様の角質の堆積をほぼ全身の皮膚に広範囲に認める一連の疾患群であり,皮疹が唯一の症状であるものが魚鱗癬,他臓器症状を伴うものが魚鱗癬症候群である.出生時,幼小児期より症状が認められるものが先天性魚鱗癬である.魚鱗癬,および,魚鱗癬症候群の多くが,皮膚の角化,特に,角層のバリア機能に重要な蛋白をコードする遺伝子の異常によることが,近年,次第に明らかにされつつある.病因についての最新の知見に基づき,2009年,Ichthyosis Consensus Conferenceにおいて我々は魚鱗癬,魚鱗癬症候群の病名,病型分類を改訂した.重要な改訂は従来の水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症が,表皮融解性魚鱗癬と改称され,従来の非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症が先天性魚鱗癬様紅皮症に改称されたことである.本稿では,新病名,新病型分類にしたがい,魚鱗癬,および,魚鱗癬症候群の臨床症状,発症のメカニズムについて,最新の知見を含めて,概説した.
  • 澤村 大輔
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第71回 角化症
    2011 年 121 巻 4 号 p. 675-679
    発行日: 2011/04/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
  • 髙木 敦, 池田 志斈
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第71回 角化症
    2011 年 121 巻 4 号 p. 681-684
    発行日: 2011/04/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    Darier病は常染色体優性遺伝を示す遺伝性角化症である.責任遺伝子は小胞体に分布するカルシウムポンプ(SERCA2)をコードするATP2A2であることが明らかとなっている.本症は小児期より発症することが多く,顔,胸,背部などの脂漏部位を中心に小丘疹が出現し,次第に鱗屑や痂皮を伴うようになる.稀に精神発達障害やてんかんなどの精神症状を伴う事がある.組織学的には円形体などの異常角化と基底層直上の裂隙形成が特徴的である.
原著
  • 神林 由美, 菊地 克子, 宇根 かおり, 相場 節也
    原稿種別: 原著
    2011 年 121 巻 4 号 p. 685-689
    発行日: 2011/04/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    58歳,女性.持効型インスリン製剤であるインスリンデテミル(遺伝子組換え)(レベミル注)を導入した3日後から,注射5~6時間後に注射部位に一致して硬結を伴う紅斑が出現し,24~30時間後に皮疹のピークを有し,48時間後には消失するという反応を繰り返していた.臨床経過ならびに製剤と添加剤での皮膚テストと皮疹部の病理組織所見から,I型アレルギーや添加剤によるIV型アレルギーは否定的であった.デテミル主剤に対するIII型アレルギーも疑われたが,症状出現がデテミル開始3日とアレルギーが成立する期間としては短すぎると思われた.インスリンデテミルは他製剤と比べ高濃度に調整された製剤で,またその構造上の特徴から注射部位に非特異的反応を起こしやすい可能性があると考えた.
  • 黒岡 定浩, 山崎 直也, 丸山 浩, 柴山 義継, 秋山 美知子, 並川 健二郎
    原稿種別: 原著
    2011 年 121 巻 4 号 p. 691-697
    発行日: 2011/04/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    60歳男性.前額部から頸部にかけて広範囲に存在する紅斑と結節を主訴に当科紹介受診となった.病理組織所見において異型性のある血管内皮細胞が,狭小な裂隙を形成しながら分岐癒合する索をなして増殖していた.免疫染色にてCD31,Factor VIII,D2-40,vimentinに陽性であり血管肉腫と診断した.明らかな遠隔転移は存在しなかったが,手術による完全切除が不可能と判断し,MAID(Mesna,Adriamycin,Ifosfamide,Dacarbazine)療法を行った.grade 4の好中球減少とそれに伴う発熱を認めたが,G-CSF製剤と抗生剤投与により軽快した.非血液毒性は,grade 2の脱毛とgrade 1の嘔気,倦怠感等を認めたが,出血性膀胱炎や心機能低下は認めなかった.1コース終了後より著明に腫瘍が縮小しPR(partial response)が得られた.MAID療法は,標準的治療が確立されていない血管肉腫において有用な治療方法の一つであると思われる.
  • 小野田 雅仁, 池澤 善郎
    原稿種別: 原著
    2011 年 121 巻 4 号 p. 699-704
    発行日: 2011/04/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    急激な経過で広範囲に発症する脱毛症患者13例にステロイド中用量間欠内服療法を行った.具体的には,「プレドニゾロン0.5 mg/kg/dayを3日間内服し11日休薬」を1クールとし,原則として3~5クール行った.初発9症例については,本療法終了時に硬毛を認めた2症例は,その後追加治療の必要なく略治に至った.軟毛を認めた5症例では,SADBE療法を導入し,4症例で軽快傾向を認めた.SADBE 療法で軽快中の再発症例については,4症例中3症例で内服パルス療法終了時に軟毛を認めたものの,その後も完治には至らなかった.以上より,本療法は初発の急性進行性脱毛症患者の初期治療として有効な治療法になり得る可能性があると考える.
  • 佐藤 正隆, 尾山 徳孝, 三浦 貴子, 若槻 妙子, 坂井 絵里香, 大塚 幹夫, 山本 俊幸
    原稿種別: 原著
    2011 年 121 巻 4 号 p. 705-714
    発行日: 2011/04/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    妊娠中に急性増悪した汎発性膿疱性乾癬を2例報告する.症例1:19歳,女性.5年前より尋常性乾癬を発症したが,膿疱化の既往はない.2005年11月,第1子妊娠28週から腹部に膿疱を伴う角化性紅斑が出現し,全身へ拡大した.高熱と高度の炎症反応を認め,プレドニゾロン(PSL)30 mg/日の内服を開始した.以後,皮疹の新生を繰り返すも全身症状の軽減に伴いPSLを漸減した.妊娠36週(PSL 15 mg/日)で前期破水し,帝王切開にて2,360 gの男児を出産した.出産後に皮疹が一時軽快し,PSLを終了したが,4カ月後の再燃時にはシクロスポリンA(CyA)の単独投与を開始した.症例2:35歳,女性.生後3カ月頃に膿疱性乾癬を発症,CyA 2.5 mg/kg/日で治療中に妊娠した.妊娠20週頃から高熱と膿疱を伴うびまん性の角化性紅斑が体幹に出現し,CyAを4 mg/kg/日まで増量したが反応性に乏しく,PSLの併用(50 mg/日まで増量)にて症状は穏やかに軽快した.その後,妊娠39週(PSL 10 mg/日,CyA 4 mg/kg/日を内服中),経腟分娩にて3,098 gの健康な男児を出産した.産後,皮疹は一過性に再燃したが治療内容の変更なく数日で軽快した.以後,PSLは漸減終了し,CyAで治療継続している.自験2例ではCyAやPSLによる薬物治療介入と胎児毒性や催奇形性,流産との関連は認めなかった.同症の本邦報告例の集計とともに妊婦の活動性の高い膿疱性乾癬を治療する際の問題点について考察する.
学会抄録
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