Bloch-Sulzberger 症候群の3例を組織学的色素失調(i.p.h-)の成立機序,すなわち melanosome の表皮から真皮への滴落の方法について電顕的に検索した.その結果真皮には melanophage に混在して melanosomecomplex をもつ Schwann 細胞(S.C.)がみられた.こうした S,C. は表皮基底層にも存在していた.この melanosome complexを構成する melanosome は表皮 melanocyte および kerationcyte にみられるものと同様の形態を示していた.本症におけるこれら所見の意義について,文献的に特にS.C.の貪喰能と melanin 産生能について考察した結果,自験例にみられた S.C. 内の melanosorae は S.C. が産生したものではなく, S.C. が表皮 melanocyte 由来のmelanosome を貪喰することによって現われたものと考えられた.さらにこれらの所見を i.P.h. の概念にあてはめて考察した結果,表皮の melanosome は表皮へ侵入したS.C. にとりこまれ,その S.C. を通じて真皮へ送られると結論した.このほか,表皮に存在している melanophage 表皮内遊離 melanosome, dyskeratoticcell, colloid 小体などがみられた.これらについても i.P.h. の成立機序に関連して考察し,これらもその成立に寄与するものであることを述べ
抄録全体を表示