日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
73 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 小林 健正
    1963 年 73 巻 4 号 p. 247-
    発行日: 1963年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    いわゆるGranuloma teleangiectatieum(以下G.t.と略す)は一般に露出部に生ずる小さな赤色の突出せる有莖腫瘤で,b\々糜爛又は結痂し,小量の濃汁を分泌し,臨床経過は慢性であって,良性ではあるが,完全に破壊されなければ再発の傾向のあるもの(Miehelson)と定義されている.本症はそれほど稀な疾患ではないが,その成因には誰もが興味をいだき,歴史的にもb\々論議の対象となって来た.従って自験例および卑見を紹介するに先立って,まず歴史的事項にふれよう.
  • 高田 忠広
    1963 年 73 巻 4 号 p. 264-
    発行日: 1963年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    生体の物質代謝に重要な役割を演ずる諸種酵素活性の証明法が発達するにつれて,皮膚科領域に於いても,特に皮膚自体に於ける種々の酵素活性を検索して,諸種皮膚機能の本態を究明しようとする試みが漸く盛んになりつつある.著者は教室に於ける一連の皮膚の組織化学的研究の一部として琥珀酸脱水素酵素をとりあげ,人体について正常皮膚並びに諸種皮膚病変部に於ける該酵素の活性を組織化学的に検討し,あわせて家兎の実験的皮膚炎に於ける活性の組織化学的変動並びに琥珀酸酸化酵素活性の定量的変化を観察して,皮膚の病態生理解明の手がかりを得ようとした.
  • 服山 公江
    1963 年 73 巻 4 号 p. 287-
    発行日: 1963年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    皮膚上皮の細胞は核分裂によつてその数を増す一方,分化して皮膚上皮細胞としての機能を営む.この細胞の分裂および分化に関連して細胞内に起る種々の生化学的変化についての実験的観察は少ない.何故ならば,皮膚上皮という形態学的に複雑なこの組織には,一般的生化学の研究方法をあてはめることが難かしいからである.最近,thymidineがDNA(deoxyribonucleic acid)の生成にあたつて,特異的にDNAの分子に転入し,またcytidineとRNA(ribonucleic acid)およびDNAの代謝との関係が明らかになつたので,低エネルギーのβ線を出すアイソトープおよび解像力の高いフィルムの使用が可能になつたことゝ相俟つて,オートラジオグラムの方法で個々の細胞内に起りつゝある生化学的変化を,組織学と結びつけながら研究することが出来るようになつた.この論文は,皮膚上皮細胞における核酸の生成および代謝についての実験の結果を報告し,その細胞分裂或は細胞分化との関係,すなわち1)DNAの生成と核分裂,2)上皮細胞の動き,3)RNAの生成と細胞分化,4)核RNAと原形質RNAの相互関係などの解明を企図した.
  • 矢幡 敬
    1963 年 73 巻 4 号 p. 297-
    発行日: 1963年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    汗疱状白癬,頑癬などで代表される皮膚白癬症は,われわれ臨床家が日常遭遇しやすい,ポピュラーな皮膚疾患である.かつては,これら皮膚白癬症は,有効なる治療薬が比較的に少なかつたし,又,汗疱状白癬では,病原菌たるTrichophytonが足蹠,手掌の厚い角質層に寄生し,抗白癬菌剤が内部に浸透し難い為に,難治性の皮膚疾患として,皮膚科医を惱まして来ている.しかしながら最近の目覚しい治療医学の進歩に伴い,有機水銀剤をはじめとし,バリオチン,ナフチオメート-Nなどが次々と登場しているが,これらはいずれも外用薬である為,皮膚角質層内に存在する菌に外用薬として作用させた場合に,薬物の角質層内への滲透性を考慮すると,試験管内の抗菌価が,そのまま臨床上の成績とならないことは周知の通りである.Oxford, Gentlesらの研究によつて,新型の抗白癬菌剤として,グリセオフルビンが出現し,至難と考えられていた皮膚白癬症の治療法もようやく克服されたのである.現在では,皮膚白癬症に対する最高の治療法は,グリセオフルビン経口投与ではあるが,グリセオフルビンの長期にわたる内服の煩しさ,経済的な点を考えれば,従来の抗白癬菌剤による外用療法も捨て難く,又,一般臨床家も,好んで用いていることも容易に推察出来る.このたび,明治製菓において,同社中央研究所で発見された種々の抗生物質の構造研究と,引続き行われた一連の誘導体の合成研究により開発された非水銀性の新化合物ビあるハロプロジンを主成分とする新抗白癬菌製剤であるポリック軟膏およびチンキの提供をうけ,2,3の皮膚白癬症の患者について臨床治験を行つたので,その成績を報告する.
  • Sandor Antalfi
    1963 年 73 巻 4 号 p. 300-
    発行日: 1963年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    多種の化学的皮膚障碍が文献に記戴されているが,実験動物を用いてかかる皮膚障碍を再構成することはかなり難しい.殆どの動物は,国によつて,また地方によつて,皮膚の形態学的,生理学的な特性を異にするからである.この事実を考慮に入れて,実験をおこなう必要がある.実験操作に長時間を要したり,あるいは数回にわたつて,段階的に種々の化学物質を作用させる場合は,再構成が更に困難となる.ここにおいて著者は,持続的且つ段階的な実験操作をおこない得る実験装置を作製する必要にせまられた.
  • H. A. Gottron
    1963 年 73 巻 4 号 p. 302-
    発行日: 1963年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    細網症(Retikulose)の概念は,細網細胞の増殖の総てをこれに数えると不明瞭なものになつてしまう.従つて,細網細胞の反応性可逆性増殖,その良性および悪性の腫瘍,並びに黄色腫やHand-Schuller病のような貪喰症はその埓外に置く.かくして狭義に絞られた細網症は,白血病三元説によれば,第3の白血病即ち細網組織球性造血系の白血病であり,それはまた細網組織の不可逆性増殖である.第3の白血病である細網症は,細網細胞がその合胞体から遊離し難い故に非白血性血液像を呈する場合が多い.細網症にあつては必ずしも総ての細網細胞が増殖するものでなく,少なくとも初期には皮膚の細網細胞だけが病変に関与する場合がよくある.またこの場合においても,増殖した細網細胞が血液の中に流れ出す場合がある(extramedulllare Zellausschwemmung).即ち,病的状態にあつては細網組織も亦造血器官となりうるものである.
  • 1963 年 73 巻 4 号 p. 306-
    発行日: 1963年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
feedback
Top