日本皮膚科学会雑誌
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117 巻, 6 号
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皮膚科セミナリウム 第26回 皮膚と免疫
  • 島田 眞路
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第26回 皮膚と免疫
    2007 年 117 巻 6 号 p. 955-958
    発行日: 2007/05/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
  • 戸倉 新樹
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第26回 皮膚と免疫
    2007 年 117 巻 6 号 p. 959-962
    発行日: 2007/05/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    中波長紫外線(UVB)は皮膚免疫に対して抑制的作用をもち,UVB誘導性免疫抑制として過去30年間,光免疫学の中心的研究テーマであった.UVBを予め照射しておくと,癌免疫も接触過敏症反応も抑制される.この機序は現在でいうところの制御性T細胞(regulatory T cell)が誘導されるために起こる.その誘導メカニズムは現在でも明らかになったと言い難いが,Langerhans細胞の数的・機能的減弱,ケラチノサイトからの抑制性サイトカインやプロスタグランディンE2産生などが関わっていると考えられている.
原著
  • 笹田 昌宏, 島田 英幹
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 6 号 p. 963-968
    発行日: 2007/05/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    当院では,疥癬に対するイベルメクチンを40名に投与し,空腹時投与群と食後投与群につき,その安全性と有効性を検討したので報告する.なお再発による再投与を含めた延べ投与症例数は48例である.本剤の使用に当たり,疥癬診療ガイドラインに準拠した上,薬剤の性状と疥癬の寄生部位等を勘案し,25%安息香酸ベンジルローションの全身への外用療法併用,痒疹様結節への凍結療法の併用などを試みた.この結果,食後投与群において有効率の向上,再発率の低下を見た.安全性については,臨床検査値異常を3例で認めたほかは,特に問題となるような副作用は認めなかった.
  • 川島 眞, 沼野 香世子, 石崎 千明
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 6 号 p. 969-977
    発行日: 2007/05/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)患者の乾燥皮膚における医療用保湿剤(ヘパリン類似物質含有製剤,尿素製剤及びワセリン)の有用性を評価するために,角層水分量,経表皮水分喪失量(TEWL),皮膚所見及び痒みの程度を指標として,ランダム化比較試験を実施した.ADの炎症が鎮静化した乾燥症状を主体とする左右前腕屈側部を対象とし,試験薬を1日2回3週間塗布し,その後1週間は観察期間とし,対象部位にはいかなる処置も行わなかった.その結果,全ての保湿剤において外用期間中は角層水分量の有意な増加が認められた.なかでもヘパリン類似物質含有製剤群は,尿素製剤及びワセリン群に比べ,より高い角層水分量を示し,観察期間においてもその効果は持続した.皮膚所見及び痒みも,全ての保湿剤で有意な改善が見られたが,TEWLは改善しなかった.以上より,今回試験した保湿剤は,いずれもAD患者の皮膚生理学的機能異常を改善することが確認され,さらに,ヘパリン類似物質含有製剤は尿素製剤及びワセリンよりも優れた保湿効果を有することが示された.
  • 谷崎 英昭, 神戸 直智, 瀧 玲子, 松村 由美, 是枝 哲, 十一 英子, 宮地 良樹
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 6 号 p. 979-983
    発行日: 2007/05/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    22歳,男性.既往歴に花粉症.フルーツ摂取時に違和感を自覚していたが,摂取制限はしていない.整形外科での手術に際して,既往歴から口腔アレルギー症候群やラテックスフルーツ症候群の可能性を疑われラテックスを含有しない使用器具が準備されたが,全身麻酔導入し気管内挿管・抗生剤投与(執刀前)をした時点でショック状態となった.当院での皮内テストの結果,投与されたジェネリック医薬品で陽性反応を認め,その先発品では陰性であった.両者は共に添加物を含まない製剤であるため,自験例では有効成分以外の,製造過程で混入する可能性がある類縁物質を原因としてアナフィラキシー反応が生じたものと推測された.医療経済の効率化からジェネリック医薬品の使用頻度が急速に上昇している今日,安全性に対しても十分な配慮が必要であることの警鐘として報告する.
  • 土屋 和夫, 皆川 正弘, 竹之内 辰也
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 6 号 p. 985-989
    発行日: 2007/05/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    1999年~2005年の7年間に新潟県立がんセンター皮膚科でダーモスコピー写真を撮影保存した皮膚病変1,480例の内,切除により組織診断を確認した974例を対象として,悪性黒色腫,基底細胞癌の臨床診断精度につき検討した.ダーモスコピーを用いた悪性黒色腫の診断感度は91%(69/76例),診断特異度は99%(886/897例)で,基底細胞癌は感度92%(156/170例),特異度97%(780/803例)であった.偽陰性症例としては,悪性黒色腫,基底細胞癌のいずれも脂漏性角化症と過小診断した例が多かった.当科におけるダーモスコピー導入前7年間の肉眼所見のみによる臨床診断感度との比較では,悪性黒色腫,基底細胞癌のいずれにおいてもダーモスコピー導入後に有意な感度の向上を認めた.ダーモスコピーは,色素性病変における悪性黒色腫,基底細胞癌の臨床鑑別診断に高い有用性を示すことが確認された.
学会抄録
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