日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
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132 巻, 9 号
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日本皮膚科学会診療の手引き
新・皮膚科セミナリウム 皮膚真菌症up to date
  • 竹中 基
    2022 年 132 巻 9 号 p. 2115-2124
    発行日: 2022/08/20
    公開日: 2022/08/23
    ジャーナル 認証あり

    表在性真菌症では,部位や年齢によって主たる原因真菌が異なる.頭部・顔面・体部では,20歳以上ではTrichophyton(T.)rubrumだが,0歳~9歳ではMycrosporum(M.)canis,10歳~19歳では,T. tonsuransである.また,M. canisは,頭部・顔・体部白癬では10歳以上でも1~2割程度検出される.それ以外の白癬では,年齢にかかわらずT. rubrumが最も多い.ただ,その傾向は,年代によって変化してきている.深在性真菌症では,免疫抑制状態に基づくとされる黒色菌糸症や皮膚クリプトコッカス症は増加傾向であり,免疫抑制状態に左右されないスポロトリコーシスや黒色分芽菌症は減少傾向である.近年菌名の変更が行われており,T. mentagrophytesT. interdigitaleSporothrix(S.)schenkiiS. globosaとなっている.

  • 福田 知雄
    2022 年 132 巻 9 号 p. 2125-2131
    発行日: 2022/08/20
    公開日: 2022/08/23
    ジャーナル 認証あり

    2019年の年末に改訂された新しい皮膚真菌症診療ガイドラインでは,総論に加え各疾患の治療についてのclinical question(CQ)が設定された.皮膚真菌症の大部分を占める白癬は部位別にCQが設定され,それぞれの質問に対して推奨度が付与された.誤診を防ぐための治療前の真菌検査は大切であり,手・足白癬,体部・股部白癬の治療の中心は外用,爪白癬,頭部白癬の治療の中心は内服となる.

  • 原田 和俊
    2022 年 132 巻 9 号 p. 2133-2138
    発行日: 2022/08/20
    公開日: 2022/08/23
    ジャーナル 認証あり

    カンジダは消化管や粘膜,皮膚に常在する真菌であるが,過剰に増殖するとカンジダ症を発症させる.鏡検検査により診断を確定すれば,抗真菌薬の外用で容易に治療可能である.例外的に爪カンジダや重症の口腔カンジダ症,腟カンジダ症には抗真菌薬の全身投与を行う.癜風,マラセチア毛包炎は脂質要求性の常在真菌であるマラセチアにより発症する.抗真菌薬の外用で治療可能であるが,重症例では内服抗真菌薬の投与を考慮する.

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