日本皮膚科学会雑誌
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79 巻, 11 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 原 紀道
    1969 年 79 巻 11 号 p. 823-
    発行日: 1969年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    昭和30~40年の11年間にわが教室で経験したエリテマトーデスは延べ409例,実数230例に達し,毎年,外来患者数の平均0.5%を占め,年平均21例の新患をみている.このうち組織学的検索が試みられた113例について臓器組織学的立場から再検討し,臓器組織構造に立脚してその細胞組織応答の客観的記載を試みた.その結果,若干のpathobiologicな示唆を得たので,その大要を報告する.
  • 高屋 通子
    1969 年 79 巻 11 号 p. 838-
    発行日: 1969年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    周知の如く,コルチコイド(以下「コ」と略す)軟膏は,Sulzberger,M.B.によつて1% hydrocortisone軟膏(HCと略す)に,全身投与に匹敵する素晴しい抗炎症効果が発見されてた関係で,その後新製剤の登場する毎に,主としてこのHC軟膏が基準に含有量乃至は臨床効果が検討され,かくして,現在の市販濃度が定められた.従つて現在市販の各製剤は,濃度,臨床効果,価格などの種々の面からみて果して十分満足すべきかどうか,なお検討の余地があるように思われる.ところで,この種の製剤が市販されるまでには通常まず動物を用いて副作用の有無が検討され,つづいてGranuloma pouch法(この場合局所に一定量の「コ」製剤が投与される),Cotton pellet法(特殊の方法で,局所的に被検製剤が投与される),Fibroblast assay等でその力価が確認された後,市販される直前の段階で,人体に試用されるが,その場合既知の製剤の力価が重要な参考資料となる.しかし,最終的には結局軟膏製剤としての臨床効果が肝要で,通常1%HC軟膏を標準に云々される.ところが,どの製剤も「コ」として十分な量が添加されているので,それ程著しい効力差がみられないのが通例である.ところで,「コ」の外用療法は,吸収されて全身的影響をおよぼす恐れが殆んどないため全身投与と異なり,HCの如き既に内用剤としては古典的な製剤でも,結構安心して使用できる.勢い製剤が増加する一方で,現在使用可能の剤種は10種を下らず,さらに基剤,添加剤に一寸工夫を凝らした製品を数え挙げると,恐らく数十種にのぼるのではあるまいか.かような次第で,我々臨床家は一体どの製剤を選んだらよいか誠に判断に苦しむ.そこで普通,新製剤が登場する度に,double blind法が試みられているが,従来の方法は最後の判断を百分率で求めたものが多く,従つて判定基準も曖昧なものが多く,余程効力の違いがないと明らかな優劣の相違が現われない.かような見地から私は,第1報で詳述した,double blind法(二重盲検法)にSequential analysis(計数型逐次検定法),Ridit analysis(Ridit 検定法),ならびにRidit sequential analysis(Ridit値を応用した計数型逐次検定法)なる3つの推計処理を適宜組合せて処理する方法を考案実施したが,今回はこれら特殊検定法を用いて,「コ」軟膏の至適濃度,製剤間の優劣,基剤による臨床効果の違い,投与方法,適応症とくにdouble blind法の対照となる疾患の選択などを検討,些か知見を得たので報告する.
  • 上野 賢一, 佐々木 伸子
    1969 年 79 巻 11 号 p. 889-
    発行日: 1969年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    1925年Blochは瑞西皮膚科学会において,》未だ記載されざる1先天性色素異常症《とし1幼児にみられた本症を始めて報告,2年後,同門下のSulzbergerがさらに詳しくこれを記載した.それは1 1/2才男児で,典型的な皮疹の他に網膜]R離と軽度の毛孔性苔癬とを合併,2年余の観察でその皮膚色素斑はかなり消褪して行つた.その組織所見は表皮基底層に変性と色素減少とがあり,真皮では多量の色素を含有する担色細胞と血管周囲性細胞浸潤とを認めた.そして色素形成性基底細胞すなわちメラノブラストの一次的先天性機能障害があり,このためメラニンは表皮上方へ運ばれずにすべて急速かつ完全に真皮側に流下し(Incontinentia pigmenti),結合組織細胞に貪喰され(Autotatowierung),永く色調を留むるに至るものと考えた.この論文中でSulzbergerはAlmkvistが6才男児で同様の症例をみていることを紹介している.またこのBloch-Sulzbergerの観察とは別に,1925年Bardachが本症と思われる双生児例を「列序性母斑」として報告しているといわれる.
  • 青山 久
    1969 年 79 巻 11 号 p. 906-
    発行日: 1969年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    人工蕁麻疹には抗ヒスタミン剤有効の症例と抗ヒスタミン剤無効の症例があることは周知の事実である.今回,著者は人工蕁麻疹のchemical mediatorを調べて抗ヒスタミン剤有効の症例はヒスタミン様物質が,抗ヒスタミン剤無効の症例はキニン様物質が,膨疹発生の主役を演じていることを明らかにした.
  • 1969 年 79 巻 11 号 p. 907-
    発行日: 1969年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
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