1999年12月から2005年4月までの5年5カ月の間に20回以上Narrowband UVB療法を受けた62例(男性36例,女性26例)の患者において紫外線療法による皮膚への副作用について検討した.疾患の内訳は乾癬34例,尋常性白斑21例,アトピー性皮膚炎3例,慢性湿疹2例,急性痘瘡状苔癬様粃糠疹1例,類乾癬1例であった.Narrowband UVB照射期間は7カ月から4年5カ月(平均22.3カ月),照射回数は23から350回(平均81.7回),総照射量は14.4から552.5 J/cm
2(平均92.3 J/cm
2)であった.前癌状態を含めて悪性腫瘍はみられなかった.Lentiginesについては,62例中17例(27.4%)にみられた.この中でPUVA,UVB等の紫外線治療の既往がある症例は14例(82.4%),日光浴を積極的にした症例は9例(52.9%),紫外線治療も日光浴もしていない症例は1例(5.9%)であった.過去の紫外線治療歴のある症例に多く,Narrowband UVB単独治療の30例でLentiginesがみられたのは3例(10%)であった.うち2例は日光浴を積極的にしていた.Lentiginesを認めた17例に色素斑に対する考えを尋ねたところ,「乾癬があるよりはLentiginesの方がまし」と答えたのは14例(男性11例,女性3例),「それぞれの程度による」10例(男性5例,女性5例),「Lentiginesが出る可能性があるのなら紫外線治療は希望しない」と答えた患者はいなかった.男性の患者が色素斑に関して気にされない傾向があった.
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