日本皮膚科学会雑誌
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116 巻 , 10 号
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皮膚科セミナリウム 第18回 上皮性悪性腫瘍
  • 山本 明史
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第18回 上皮性悪性腫瘍
    2006 年 116 巻 10 号 p. 1435-1440
    発行日: 2006/09/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    発生頻度および悪性度から考えて主な皮膚悪性腫瘍は有棘細胞癌,基底細胞癌および悪性黒色腫であり,欧米では前二者を一括してnon-melanoma skin cancersと呼ばれている.有棘細胞癌は皮膚生検により診断を確定し,病期に従った治療を行う.転移をきたすと治療が困難であり,予後を改善するためには早期診断,早期治療が必要である.基底細胞癌は顔面に好発するため,早期診断のうえ確実に切除し,局所皮弁などを用い形成外科的に再建が必要である.
  • 清原 祥夫
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第18回 上皮性悪性腫瘍
    2006 年 116 巻 10 号 p. 1441-1448
    発行日: 2006/09/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    乳房外Paget病は外陰部,腋窩,肛門周囲に好発する皮膚原発の悪性腫瘍で,組織学的にPaget細胞とよばれる胞体の明るい大型の異型細胞が主に表皮内で増殖することを特徴としている.紅斑や脱色素斑として長期間in situのまま表皮内拡大する時期があり,やがて真皮内・皮下組織に浸潤し,“乳房外Paget癌”となる.In situの時期に治療すれば完治するが,invasiveな時期に進行したものはしばしばリンパ節転移,遠隔転移を生じ,難治となる.多くの例が高齢者であるため低侵襲の診断・治療が望ましいが,最近のセンチネルリンパ節生検(sentinel node biopsy)の技術が非常に有用である.
  • 高田 実
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第18回 上皮性悪性腫瘍
    2006 年 116 巻 10 号 p. 1449-1453
    発行日: 2006/09/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    すべての癌はひとつの細胞におけるひとつの遺伝子の変異に始まり,長い時間をかけて完成された癌へと進展する.皮膚では紫外線によるp53遺伝子の変異が表皮細胞のクローン性増殖を引き起こし,さらなる紫外線暴露により有棘細胞癌(SCC)の早期病変である日光角化症が発生する.紫外線防御はSCCの発生を予防するだけでなく,その前駆症からSCCへの進展を遅延させる.さらに様々な方法による治療的介入によりSCCの発生を阻止することが可能である.
原著
  • 中野 由美子, 越後 岳士, 冨田 郁代, 大石 直人, 森田 礼時, 長谷川 稔, 川野 充弘, 山崎 雅英, 佐藤 伸一, 竹原 和彦
    原稿種別: 原著
    2006 年 116 巻 10 号 p. 1455-1459
    発行日: 2006/09/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    55歳女.40歳代より眼・口腔内の乾燥症状あり,抗SS-A抗体と抗SS-B抗体陽性,角膜炎所見や唾液腺分泌機能低下の所見を認めたことからシェーグレン症候群と診断した.初診2年前より特に冬季に顔,耳介,手足,下腿などに浸潤を触れる紫斑や潰瘍が出現した.下腿の紫斑の病理組織では真皮小血管に白血球核破砕性血管炎の所見がみられ,蛍光抗体直接法にて血管壁にIgMとC3の沈着を認めた.血清よりクリオグロブリン(モノクローナルIgA-κとポリクローナルIgG-κ, λ)が検出されたことから,II型クリオグロブリン血症に伴う免疫複合体性血管炎と診断した.検査上軽度の貧血を認めたが,M蛋白血症は検出されず,骨髄所見にも異常はなかった.プレドニゾロン30 mg/日の内服により皮疹は消退し,寒冷曝露に注意しつつプレドニゾロンを漸減中である.
  • 高山 かおる, 坂下 さゆり, 加藤 卓朗, 横関 博雄
    原稿種別: 原著
    2006 年 116 巻 10 号 p. 1461-1465
    発行日: 2006/09/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    目的:糖尿病患者の味覚検査異常の有無や程度を調べて健常被験者の結果と比較するとともに,Candida albicansの保菌との関係について検討する.対象:済生会川口総合病院皮膚科外来を受診した糖尿病患者67例.方法:カンジダの分離;綿棒擦過法を用いて培養を行い,発育したコロニーをカンジダチェックにて同定した.味覚検査;味覚検査キット®を用い,正常,軽症,中等症,重症の4群に分類した.結果:67例中味覚検査異常があったのは52例(77.6%)だった.カンジダ保菌と味覚検査異常の関連を調べたが,カンジダ保菌例73.7%,非保菌例79.2%と有意差はなかった.糖尿病合併症との関連を調べたところ,神経障害を合併している患者で味覚検査異常が多い傾向があった.結論:糖尿病患者はカンジダの保菌に無関係に味覚異常が多く,逆に味覚検査は神経障害の検出に役立つと考えられた.
  • 安田 秀美, 川村 邦子, 根本 治
    原稿種別: 原著
    2006 年 116 巻 10 号 p. 1467-1471
    発行日: 2006/09/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    1999年12月から2005年4月までの5年5カ月の間に20回以上Narrowband UVB療法を受けた62例(男性36例,女性26例)の患者において紫外線療法による皮膚への副作用について検討した.疾患の内訳は乾癬34例,尋常性白斑21例,アトピー性皮膚炎3例,慢性湿疹2例,急性痘瘡状苔癬様粃糠疹1例,類乾癬1例であった.Narrowband UVB照射期間は7カ月から4年5カ月(平均22.3カ月),照射回数は23から350回(平均81.7回),総照射量は14.4から552.5 J/cm2(平均92.3 J/cm2)であった.前癌状態を含めて悪性腫瘍はみられなかった.Lentiginesについては,62例中17例(27.4%)にみられた.この中でPUVA,UVB等の紫外線治療の既往がある症例は14例(82.4%),日光浴を積極的にした症例は9例(52.9%),紫外線治療も日光浴もしていない症例は1例(5.9%)であった.過去の紫外線治療歴のある症例に多く,Narrowband UVB単独治療の30例でLentiginesがみられたのは3例(10%)であった.うち2例は日光浴を積極的にしていた.Lentiginesを認めた17例に色素斑に対する考えを尋ねたところ,「乾癬があるよりはLentiginesの方がまし」と答えたのは14例(男性11例,女性3例),「それぞれの程度による」10例(男性5例,女性5例),「Lentiginesが出る可能性があるのなら紫外線治療は希望しない」と答えた患者はいなかった.男性の患者が色素斑に関して気にされない傾向があった.
  • 吉野 公二, 山崎 直也, 山本 明史, 並川 健二郎, 吉田 寿斗志
    原稿種別: 原著
    2006 年 116 巻 10 号 p. 1473-1477
    発行日: 2006/09/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    1962年から2005年までの間に国立がんセンター中央病院皮膚科を受診した外陰部を主病変とする乳房外パジェット病の患者95例中,所属リンパ節に転移を認めた23例について統計学的検討を行った.その結果,1992年に大原が提唱した「乳房外パジェット病に対するTNM分類およびステージ分類(案)」ではリンパ節転移が片側または両側かの違いで区別しているが,転移するリンパ節の個数で分けたときの5年生存率は1個の場合は100%,2個以上では13.5%であった.このことより2個以上に転移を認める症例での所属リンパ節郭清の適応を見直す必要があり,さらに1個または2個以上かをセンチネルリンパ節生検を用いて的確に判断できるか検討した.
学会抄録
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