日本皮膚科学会雑誌
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94 巻 , 6 号
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  • 奥 知三, 深水 秀一, 井上 邦雄, 森口 隆彦, 田上 八朗, 山田 瑞穂
    1984 年 94 巻 6 号 p. 657-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
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    正常皮膚12例(若年者6例,高年者6例),肥厚性瘢痕7例,ケロイド5例について組織培養をおこない,それぞれに由来する線維芽細胞の走査電顕による観察と3H-チミジン・オートラジオグラフィーによる増殖動態の解析をおこなった.その結果から正常皮膚での年齢の影響は年齢とともにDNA合成時間(Ts)と世代時間(Tpot)の延長,増殖分率(GF)の低下としてあらわれ,標識率(LI)には差がなかった.また,肥厚性瘢痕ではTs,Tpotの短縮があったが,GFが低下していたことから増殖細胞自体は活発に増殖していたが,その比率は少なかった.ケロイドの増殖は個人差が強く,臨床像とは異なって,いずれのパラメーターも正常皮膚と差がなかった.
  • 荒田 次郎, 米澤 士朗, 池田 政身, 恒石 静男
    1984 年 94 巻 6 号 p. 665-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    53歳,49歳の兄弟例のreactive perforating collagenosisを報告した.自験例の特徴は,1)中心臍窩を持つ定型的皮疹が全身(掌蹠,外陰部を除く)皮膚に出没,2)明瞭なKobner現象,3)家族内発生,4)10歳代に発症して現在に到る,5)組織学的に著明な角栓と膠原線維の経表皮性排除,6)兄にアルコール性肝障害,弟に糖尿病の存在,以上の諸点であった.皮疹の発生様式は,小外傷に続発するものと,毛包病変に続発するものとがあると思われた.Acne varioliformis,perforating folliculitis,Kyrle病との鑑別を論じ,本兄弟例はreactive perforating collagenosisの定型例と診断された.
  • 手塚 正, 山崎 紘之
    1984 年 94 巻 6 号 p. 677-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    1.C-57BLマウス生後1,3,5日および1,2,3,4,5週の陰嚢皮膚を採取し,光顕的および電顕的検討を行った.又,併せてDOPA反応も行った.2.生後1日目のC-57BLマウスの陰嚢皮膚に相当する皮膚には真皮乳頭層より深層,皮下組織にかけてマッソンフォンタナ染色陽性の樹枝状突起を有する細胞が多数みとめられた.しかしながら生後5週目ではマッソンフォンタナ染色陽性細胞は真皮乳頭層と真皮上層のみに限局して存在していた.3.これらのマッソンフォンタナ染色陽性細胞は生後7日目まで光顕レベルでDOPA反応陽性であったが、7日以降は対照と差がなかった.4.電顕的に生後1日目の皮膚ではstageⅡ,Ⅲと思われるメラノソームを少数含む細長い細胞が多数みとめられた.これと対照的に生後5週目の陰嚢皮膚ではstageⅣのfully melanizedのメラノソームのみを含む細長い細胞とメラノソームを塊状にとりこんだ丸い細胞とからなっていた.
  • 須藤 成章, 高橋 省三, 池田 和夫, 五十嵐 良一, 諸橋 正昭
    1984 年 94 巻 6 号 p. 681-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
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    菌状息肉症に合併した症候型と特発型の2例のmucinosis follicularisについて臨床的,病理組織学的,電顕的,免疫組織学的比較を行なった.臨床的には前者は頭部の広範な脱毛斑と体幹を中心として浸潤性紅斑と面皰の多発がみられた.後者では単発性の小紅斑のみであった.病理組織学的には両者とも空胞化した毛嚢の変性像とムチン様物質の沈着および毛嚢と真皮へのリンパ球を中心とした細胞浸潤がみられた.酵素組織化学反応では両者とも毛嚢にみられたムチン様物質はヒアルロン酸が主体と思われた.電顕的には前者の密に浸潤したリンパ球には特有な核の切れ込みと有するものが多かったが,後者でも時々異型性のあるリンパ球が認められた.両者とも毛嚢脱脂腺系細胞の空胞変性と細胞開大とムチン様物質の出現もみられた.モノクローナル抗体を使用した浸潤リンパ球の解析では前者では浸潤細胞の大部分はOKT3(pan T cell)とOKT4(helper/inducer T cell)に陽性を示した.後者では浸潤リンパ球はOKT3で大部分陽性を示したが,そのうちOKT4陽性細胞とOKT8(suppressor/cytotoxic T cell)陽性細胞はほぼ同数であった.以上より両者には幾つかの相違が認められたが,特にモノクローナル抗体を使用したリンパ球subsetの解析は両者の鑑別に今後試みられてよい方法と思われた.
  • 尾口 基, 青島 敏行, 宗 義朗
    1984 年 94 巻 6 号 p. 695-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
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    癜風における角質層,顆粒層の変化を電顕形態学的に観察した.角質層では幅0.4μ程度の扁平な,突起の少ない細長い細胞が30数層堆積し,電子密度は上層の方が高い.角質層に平担な堆積細胞間は一部開大しており,desmosomeは全般に少なく,小さい.細胞質の一部が膨化した細胞が認められ,同部は線維様構造がみられず空虚である.角質層と顆粒層の間に移行細胞(transitional cell)が観察された.本細胞には核の有無,核膜の明瞭さ,細胞質の電子密度,keratohyalin顆粒の量の差異により形態の異なる3種類が存在した.顆粒層には著変はみられなかった.移行細胞の存在は,菌要素の侵入による角化形式の何らかの異常を思わせる.菌要素は角質細胞の内外に観察され,その周囲に空隙が認められた.また,菌要素に隣接する細胞の細胞質の線維様構造は疎になり,細胞全体が膨化,膨出する像が観察された.これらの所見から菌要素のkeratinolyticな作用が推定された.
  • 金子 史男, 熊切 正信
    1984 年 94 巻 6 号 p. 701-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
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    皮膚アミロイドーシスにおけるアミロイド物質(「ア」物質)の由来については,まだ確定的なものはないが,電顕所見や抗ケラチン抗体に対する免疫学的反応性から表皮細胞に由来する説が有力である.われわれは,表皮由来説の立場から斑状アミロイドーシス(MA)とアミロイド苔癬(LA)について表皮・真皮結合部(D-E junction)における変化を免疫組織学的検査と電顕による観察で,また同時に真皮側の反応細胞についてその性質を検討した.MAおよびLAのいずれもD-E junctionでは,水疱性類天疱瘡抗体(BP-Ab)と反応する部は肥厚と断裂を示し,その一部は「ア」塊中に巻き込まれた像を呈した.電顕所見では,「ア」塊中にbasal lamina-anchoring fibril complexをみた.真皮上層の浸潤細胞は「ア」塊を取り囲むように存在し,一部の細胞はIgGを有し,多くはHLA-DR抗原を有した.これは,これらの細胞がB細胞系でリンパ球ならびにマクロファージであることを示していた.これらの所見は,「ア」物質が表皮層から滴落したとする表皮細胞由来説を支持するものと考えられる.
  • 折原 俊夫, 岩堀 泰隆, 柳瀬 信一, 古谷 達孝
    1984 年 94 巻 6 号 p. 707-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    38歳男性の定型的アレルギー性肉芽腫症(Churg-Strauss)の1例を報告した.本例は約6年前喘息発作をもって発症.その後消長をみつつ今日にいたる間しばしば発作をくり返し,次いで体重減少,発熱,頻脈,末梢神経症状,筋萎縮,肘頭および膝蓋の結痂性丘疹の出現をみている.注目すべき所見として検査所見では好酸球著増を伴う白血球増多症,心筋障害,胸部X-Pにおける結節状陰影がみられた.また病理組織学的所見では,皮膚生検で真皮内に軽度の好酸球浸潤とともに,真皮結合織の変性壊死巣を囲繞する組織球,類上皮細胞,巨細胞からなる肉芽腫病変が血管と無関係に存在し,筋生検で血管壁の肥厚,線維化ならびに筋線維の萎縮が認められた.本邦における本症報告例は自験例を含めて32例に達するが,そのうち詳細に記載された27例についてみると21例(78%)に皮疹がみられ,これらのうち結節性病変は13例で最も多い.病理組織学的所見をまとめると,血管病変と血管外病変が共に認められたものは11例,血管病変のみのもの12例,血管外病変のみのもの3例であった.また血管病変と血管外病変に分けてみると,血管病変は23例(85%)に認められたが,これらのうち好酸球浸潤を伴うものは肉芽腫性血管炎で6例中5例,真皮の壊死性血管炎ないしPN型血管炎あるいは血管変性で20例中14例,血管壁の肥厚,閉塞,線維化の2例中1例であった.また本症に最も特徴的な血管外病変が認められたものは14例(52%)にすぎず,結合織の壊死を伴う定型的肉芽腫が認められたものは自験例を含め4例とさらに少ない.一方血管病変にも血管外病変にも好酸球浸潤についての記載のないものが3例みられた.
  • 加藤 英行
    1984 年 94 巻 6 号 p. 717-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
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    ヒトの免疫不全症を理解する上での実験モデルとなる免疫不全マウスの腹腔マクロファージを使い,易感染性についての検討をH2O2産生のphenol red酸化を指標として行なった.C3H/HeJ CLPS-non-responder),CBA/N(B cell defect),beige(murin Chediak-Higashi syndrome)マウスを使用したところ,正常形質マウスと比較し,C3H/HeJマウスではフェノール抽出LPSには反応しないがBoivin抗原,MDPには反応し,CBA/N FI雄マウスでは全ての膜刺激物に対して低い反応性を示し,beigeマウスではH2O2産生は充分に行なわれるがその産生が持続しないことがわかった.これらの事実が免疫不全マウスの易感染性の原因のひとつではないかと思われた.
  • 谷口 滋
    1984 年 94 巻 6 号 p. 727-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
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    プラスチック,セルロースフィルターおよびウサギ皮膚から抽出されたコラゲンゲルの上に分散培養されたヒト表皮細胞を電顕的に検索した.また,ウシ真皮から分離されたⅠ型コラゲンゲルの上に分散培養されたヒト表皮細胞を電顕法および抗Ⅳ型コラゲン抗体を用いた免疫螢光法間接法により検索した.その結果,プラスチックおよびセルロースフィルターと表皮細胞の境界面には培養6週後でも半デスモソームおよび基底板は形成されないが,ウサギ皮膚からの抽出コラゲンゲルと表皮細胞の接着部では培養4~5日後に始まる半デスモソーム形成に続く一連の過程を経て5~7週後に連続性基底板が形成されることが示された.さらに,Ⅰ型コラゲンゲルと表皮細胞の接着部では,抽出コラゲンゲルと表皮細胞の接着部におけると同様の過程を経て基底板が形成されること,また基底板に一致するⅣ型コラゲン含有薄板状構造の存在が観察された.これらの観察所見から,表皮細胞はそれ自身で基底板を形成する能力を保有すること,またその能力が発揮されるためには必ずしも組織構造を保持した真皮組織は必要でないが,細胞形質膜の半デスモソームヘの分化を惹起させる物質への表皮細胞の付着が必要であることが明瞭に示された.また,Ⅳ型コラゲンを含有する基底板は表皮細胞により生合成されることが強く示唆された.
  • 野口 信子, 小川 秀興, 小沼 一郎, 松本 道男
    1984 年 94 巻 6 号 p. 737-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
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    1)マウスを被検動物に,3Methylcolanthreneを発癌のinitiatorとして用い,その1回塗布後レチノイド,紫外線,PUVAなどを連続使用して,それらの発癌へのpromotion作用の有無を肉眼的・組織学的に検討した.2)紫外線は明らかに発癌を促進,レチノイドは軽度ながらも抑制的に作用した.一方,PUVAでは高度のdysplasiaを伴なう乳頭腫が認められたものの我々の観察期間内では発癌は認められなかった.3)DACM染色法を応用して癌化の過程を組織化学的に経時観察した結果,-SH基,およびS-S結合に富む異常顆粒が,未だ光顕的には癌細胞に進展していない時期にすでに認められた.
  • 1984 年 94 巻 6 号 p. 741-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
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