日本皮膚科学会雑誌
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110 巻 , 1 号
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  • 山西 清文
    2000 年 110 巻 1 号 p. 1-
    発行日: 2000年
    公開日: 2014/08/19
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    皮膚の最上層を覆う角質は,形態的には一見単純な組織であるが,外界との境界に位置する障壁として,機能的には極めて重要な構造である.角質は,重層扁平上皮を構成する角化細胞の終末分化(角化)によって,細胞自らの死とともに産生される.角化は複数のプロセスが関与する統合された形態形成システムであり,遺伝性皮膚疾患の責任遺伝子の同定と遺伝子組み換えモデルマウスをもちいた解析により,角化のメカニズムと疾患病態の解明に新たな展開が期待される。
  • 赤城 久美子, 林 さなえ, 宮崎 貴子
    2000 年 110 巻 1 号 p. 9-
    発行日: 2000年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    1985年7月から1998年12月末までに,東京都立駒込大学病院皮膚科を受診したHIV感染者224名の皮膚病変を検討した.皮膚科受診者は当院を受診した全HIV感染者742名の30.2%にあたり,のべ412病変が認められた.男性が89.7%を占め,HIV感染経路は51.3%が同性間性的接触による感染者であった。皮膚疾患は,白癬,瘙痒性丘疹,帯状疱疹,湿疹,脂漏性皮膚炎,薬疹,カポジ内腫などが高頻度にみられた.1998年に当院皮膚科を受診した20~69歳の男性患者を非HIV感染者の対照として各皮膚病変の発症率を比較したところ,帯状疱疹,単純性疱疹,尖圭コンジローマ,尋常性疣贅,伝染性軟属腫,梅毒,口腔カンジダ症,カポジ肉腫,瘙痒性丘疹,脂漏性皮膚炎,薬疹はいずれも有意差が認められた。各皮膚病変の初診時のCD4陽性細胞数中央値によって,グループ別分類を行った。CD4陽性細胞数200/μl以上は梅毒,尖圭コンジローマ(グループ1).100-199/μlは白癬.湿疹,化膿性皮膚疾患,尋常性疣贅(グループ2).50~99/μlは瘙痒性丘疹,帯状疱疹,脂漏性皮膚炎,薬疹(グループ3).50/μl未満はカポジ肉腫,単純性疱疹,口腔カンジダ症,伝染性軟属腫(グループ4).免疫不全の程度と各皮膚病変の発生との関連が推定できる.
  • 遠藤 薫, 檜澤 孝之, 吹角 孝之, 片岡 葉子, 青木 敏之
    2000 年 110 巻 1 号 p. 19-
    発行日: 2000年
    公開日: 2014/08/19
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    (1)アトピー性皮膚炎患者38名と健常人18名に対して,踏み台昇降による発汗前後で肘窩及び前腕屈側中央の皮膚pHを測定し,さらに皮膚表面のS.aureus数を測定した.患者の皮膚pHは,健常人よりも高く,皮疹の悪化につれて上昇し,S.aureus数の増加とともに上昇していた.また発汗の少ない被験者で高い傾向が見られたが,発汗による有意な変化は認められなかった.(2)アトピー性皮膚炎患者125名と健常人76名に対して,日常の発汗の程度について問診し,肘窩,前腕屈側中央,頬部の中央,額部の中央の皮膚pHを測定した.健常人に対してはアレルギー疾患の既往の有無についても問診した.皮膚pHは,患者は健常人よりも高く,皮疹の悪化とともに上昇していた.さらに患者及び健常人とも,女性は男性より高く,肘窩,前腕・額部,頬部の順に高く,汗が少ないほど高くなっていた.またアレルギーの既往がある健常人はそれがない健常人より高くなっていた.以上の結果と皮疹の悪化につれてS.aureus数が増加することから,皮膚の健常性を表すものとして,皮膚pHと皮膚表面のS.aureus数より成る「皮膚清浄度」の概念を提唱した.皮膚清浄度から見ると,肘窩は高く,顔面は低く,女性は低く,汗の少ない部位や対象は低いと考えられる.成人型アトピー性皮膚炎の皮疹は皮膚清浄度の低い部位に一致して好発している.
  • 檜垣 祐子, 有川 順子, 吉原 伸子, 川本 恭子, 加茂 登志子, 堀川 直史, 川島 眞
    2000 年 110 巻 1 号 p. 27-
    発行日: 2000年
    公開日: 2014/08/19
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    アトピー性皮膚炎(AD)の増悪因子の一つとして,心理社会的負荷の関与が考えられる.そこで,患者の心理社会的負荷とADの増悪との関連について,入院治療中の重症AD患者について,精神科医が面接を行い検討した.また患者の精神的健康状態を客観的に把握するため,精神健康調査票(General Health Questionnaire30)を施行した.その結果48例中40例,83.3%で心理社会的負荷がADの増悪に関与したと考えられた.心理社会的負荷としては家庭内の問題や職業上の問題が多かった.GHQ30の総点の平均は13.5で,7点以上の何らかの問題ありが31例,83.8%を占めた.精神症状に関しては中等度以上の症状を示す例が少なくなかった.精神科診断としては「一般身体疾患に影響を与えている心理的要因」が36例と最も多く,以上より,個々の患者の精神症状の有無やADの増悪因子としての心理社会的負荷など心理的要因に配慮し,ADの診療に当たることが重要と思われた. 
  • 小寺 雅也, 臼田 俊和, 柳田 邦治
    2000 年 110 巻 1 号 p. 35-
    発行日: 2000年
    公開日: 2014/08/19
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    サルコイド皮疹を有し,生検にてサルコイドーシスの組織学的確実例と診断された自験19例について,シェーグレン症候群の合併の有無を検討した.その結果では,シェーグレン症候群の合併が確認された症例は19例中7例であった.サルコイドーシスとシェーグレン症候群の合併例の報告は以前より散見されるが,両者の合併率は低値として報告されている。今回の著者らの見解では,従来の報告よりも極めて高率に両者の合併が認められた.サルコイドーシスで皮膚病変を認める症例は10~30%であることから,サルコイドーシスの皮膚病変を有する群では,シェーグレン症候群の合併が高率である可能性も示唆される結果であった.サルコイドーシスには,自己免疫的背景を持ったシェーグレン症候群の合併が多いことが今回の検討では明らかとなった.しかし,サルコイドーシスの乾燥症状の本態は今だ不明な点が多い.乾燥症状を訴えるサルコイドーシスでは,HCVの関与も視野に入れた多方面からの検討が必要である.
  • 沼原 紀予, 中川 俊文, 沼原 利彦, 高岩 堯, 河田 真由美, 大西 鐘壽
    2000 年 110 巻 1 号 p. 41-
    発行日: 2000年
    公開日: 2014/08/19
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    Prader-Willi症候群の11歳女児にみられた,左前腕の単発性の結節性黄色腫と左肩の血管拡張性肉芽腫を報告した.Prader-Willi症候群は,特徴的顔貌,筋緊張低下,性腺機能低下,知能低下,肥満などを特徴とする小児科領域の先天性症候群で,病因として15番染色体異常が知られている.患者は,高度肥満と境界型糖尿病で小児科フォロー中,皮膚科初診の数ヵ月前より皮疹が出現してきた.本症候群に伴う皮膚病変についての報告は少なく,調べたかぎりでは黄色腫の記載はなかった.
  • 河井 正晶, 西村 久美子, 坪井 良治, 小川 秀興
    2000 年 110 巻 1 号 p. 47-
    発行日: 2000年
    公開日: 2014/08/19
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    今回我々は臨床的に足底の角質増殖を伴う,いわゆる角質増殖型足白癬を罹患年数,臨床症状,他の病型との合併の有無により,真性角質増殖型,準角質増殖型,部分角質増殖型の3型に分類することを提示した.さらに,これら角質増殖型足底白癬に対するラノコナゾール1%クリームの単純塗擦療法の臨床効果を検討した.総登録数36症例のうち,8週以上観察できた28症例を評価対象とした.臨床型の内訳は,準角質増殖型9例(32%),部分角質増殖型のうち趾間病変を合併する症例14例(50%),部分角質増殖型のうち趾間病変と小水疱の両方を認める症例5例(18%)であった.真性角質増殖型足白癬は経験しなかった.爪白癬の合併は20例(71.4%)に認められた.斜面培地による培養陽性は13例(46.4%),フットプレス法による培養陽性は17例(60.7%)で,そのうち7例はグラインダーで角質増殖部を削って初めて陽性となった.12週までに菌陰性化したものは26例(92.8%),また菌陰性化には平均7.8週を要した.臨床効果は著効10例(35.7%),有効以上20例(71.4%)であった.副作用は1例で接触皮膚炎を認めた.以上の結果より,角質増殖型足白癬の治療は外用抗真菌剤の単純塗擦療法で対処可能であると考えられた.
  • 2000 年 110 巻 1 号 p. 51-
    発行日: 2000年
    公開日: 2014/08/19
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