日本皮膚科学会雑誌
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105 巻 , 8 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 江口 弘晃, 堀越 貴志
    1995 年 105 巻 8 号 p. 1065-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    IL-2(interleukin-2)はT細胞の増殖を促進する重要なサイトカインであり,かつIL-2はICAM-1(intercellular adhesion molecule-1)を発現増強し,腫瘍免疫に重要な役割を演じている.また,欧米においてIL-2は,単独,或いは化学療法剤との併用で黒色腫患者の治療に使用され,その有効性が報告されているが,評価は一定していない.最近,悪性黒色腫においてIL-2 receptor(IL-2R)が発現されており,更に黒色腫細胞自身がIL-2を産生していることが報告された.今回我々は悪性黒色腫に対するIL-2の影響,IL-2R発現の意義を明らかにするため,悪性黒色腫におけるIL-2Rα鎖,β鎖の発現をin vivo,in vitroで検討した.黒色腫患者原発巣14例,転移巣14例におけるIL-2Rの発現を凍結切片を用い,ABC法(avidin-biotinperoxidase complex method)にて染色した.原発巣におけるIL-2Rは14例中3例,転移巣では14例中6例にて発現されており,転移巣で発現例が多かった.次に3種の培養黒色腫細胞(SK-MEL118,A2058,MM96E)を用い,IL-2Rの発現を調べた.SK-MEL118では約30%,MM96Eで約10%の細胞でIL-2Rの発現が認められたが,A2058では発現が認められなかった.IL-2処理(100IU/ml,24時間)後の培養黒色腫細胞のICAM-1の発現,細胞増殖に与える影響を調べた.今回用いた細胞ではICAM-1の発現はIL-2処理で変化しなかった.各種濃度(1-1,000IU/ml)のIL-2処理後,3H-TdRの取り込みを調べたところ,SK-MEL118ではIL-2の濃度依存性に取り込みの増加,SK-MEL30ではIL-2の濃度依存性に取り込みの減少が認められた.IL-2Rの発現のないA2058では3H-TdR取り込み量は変化しなかった.in vivo,in vitroにおける結果から,腫瘍組織中にはIL-2に反応し,細胞増殖が促進される細胞と,促進されない細胞が混在している可能性が示唆された.IL-2療法施行時には,黒色腫細胞におけるIL-2Rの発現の有無を確認する必要があると考えられた.更に,in vitroで黒色腫細胞にIL-2によるICAM-1の誘導を認めなかったが,臨床的には悪性度の高い黒色腫ほどICAM-1の発現率が高いことが知られており,黒色腫細胞におけるIL-2によるICAM-1の誘導の有無についても今後も検討が必要である.
  • 大原 香子, 松倉 俊彦, 岩崎 琢也, 川島 眞
    1995 年 105 巻 8 号 p. 1073-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    表皮嚢腫とヒト乳頭腫ウイルス(以下HPV)感染との関連を,足底とそれ以外の部位に生じたそれぞれ12例,計24例について病理組織学的,免疫組織化学的に解析した.さらに,これらの組織からDNAを抽出し,制限酵素で切断後,HPV60をプローブとして用いたSouthern blot hybridization法を行い,HPV DNAの有無とその切断パターンについて検討を行った.足底表皮嚢腫12例のうち8例に,HPV 60感染に特異的な嚢腫壁を構成する細胞の細胞質内封入体と嚢腫内容の空胞様構造がみられ,封入体を有した細胞の核と空胞様構造にgenus specific antigen(GSA)が検出された.Southern blot hybridization法での解析でも,これらの例ではHPV 60のPst Ⅰ切断パターンを示すHPV DNAが検出された.さらに,組織・免疫組織化学的変化を見いだし得なかった残り4例のうち1例に,HPV 60 DNAが検出された.一方,足底以外に生じた表皮嚢腫では,いずれの例でも,上記の特異的組織変化がみられず,またGSAが陰性であった.しかし,Southern blot hybridization法による解析では,1例でHPV 60 DNAを検出し,足底以外の皮膚にもHPV 60が感染し,かつ嚢腫を形成しうる可能性を確認した.HPV 60 DNA陽性の足底表皮嚢腫にはHPV 60の感染に特異的な組織変化を見いだしえない症例があったことより,これまで非ウイルス性の足底表皮嚢腫と診断されてきた症例にも,ウイルス性足底嚢腫が含まれていたと考えられる.また,足底以外に生じた表皮嚢腫にも,HPV 60 DNAを検出できた例があり,今後HPV 60の感染が関与する表皮嚢腫をウイルス性嚢腫(viral cyst)と呼ぶことを提唱した.
  • 秋山 尚範, 戸井 洋一郎, 神埼 寛子, 多田 讓治, 荒田 次郎
    1995 年 105 巻 8 号 p. 1083-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    皮膚壊死作用のあるα毒素を産生するStaphylococcus aureusを実験的皮膚炎部に接種した場合のα毒素の発現,α毒素を皮内注射した場合の皮膚の変化を光顕・電顕的および免疫組織学的に検討し次のことが考えられた.1)実験的皮膚炎部でのα毒素の発現 α毒素を産生するS. aureusをモルモットクロトン油皮膚炎部に接種した場合,菌が表皮全層に拡大,侵襲し菌塊を形成する時期に蛍光抗体法での毒素の陽性蛍光が観察された.2)α毒素を皮内注射した場合の皮膚の変化 α毒素を50,500ng(S. aureus Wood46株,5×107,5×108cfuの産生する毒素量にほぼ相当)皮内注射した場合,真皮内にinterferon-gamma(IFN-γ)が顆粒状に発現した後,intercellular adhesion molecule 1(ICAM-1)が血管壁に発現・増強する.500ng投与群では表皮にICAM-1が発現・増強した後,表皮へ向かう著明な多核白血球浸潤像が観察された.電顕的に表皮の変性・壊死像,表皮真下真皮の膠原線維の変性像および真皮の著明な多核白血球の崩壊・変性像を認めた.α毒素はdose dependentであるが,少なくとも感染症を起こしうる菌量のS. aureusが産生するα毒素が真皮に存在すればICAM-1が血管壁・表皮に発現し,その後浸潤・崩壊した多核白血球による組織障害が起こりうるものと思われる.以上の結果よりS. aureusが産生するα毒素は皮膚炎を憎悪する可能性が考えられた.
  • 遠藤 桃子, 片山 一朗, 西岡 清
    1995 年 105 巻 8 号 p. 1091-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    1989年から1993年までの5年間に東京医科歯科大学皮膚科を受診した成人凍瘡患者48名の背景因子を検討した.男性7名,女性41名,平均年齢53歳であった.基礎疾患はシェーグレン症候群(SjS)単独が25名,他の膠原病とSjSのオーバーラップ6名,その他の膠原病単独は5名だった.その他内科的基礎疾患があるもの6名,基礎疾患なし6名であった.抗核抗体陽性は33名,抗SS-A抗体陽性は13名であった.レイノー現象を伴うものは14名あった.成人凍瘡患者の検索を行うと高率に自己免疫性疾患が発見され,疾患としてはSjSが多かった.
  • 安田 秀美, 小林 仁, 大河原 章, 安田 和則
    1995 年 105 巻 8 号 p. 1099-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    エトレチナート長期内服による骨および関節に与える影響をより正確に知るため,低~中年齢層における骨,関節変化について,同世代コントロールと比較検討した.北海道大学皮膚科通院中のエトレチナート長期内服患者17例(平均年齢29歳,平均総投与量40.3g,平均総投与期間7年5ヵ月)の全身の骨および関節所見を,エトレチナート内服の既往がない対照群10例(平均年齢29歳)と対比して検討した.単純X線写真に関して,対照群では6例(60.0%)に加齢と弱い相関を有する骨棘形成が認められた.内服群では10例(58.8%)に加齢と弱い相関を有する骨棘形成が認められ,出現頻度に関しては対照群との間に有意差を認めなかった.しかしエトレチナート内服群においては,骨および関節の異常所見の出現頻度と投与量および投与期間との間に危険率p<0.10の弱い相関を認めた.すなわち,骨変化の多い症例は総投与量が多く,投与期間も長い症例に多い傾向があった.これらのX線写真で異常所見を示した部位には,骨シンチにおけるテクネシウムの集積を認めなかった.また血清カルシウム,リンおよびアルカリフォスファターゼ値にも有意な変化を認めなかった.一方,CXD法を用いた骨塩量の測定では,統計的比較が可能であった30歳代男子において内服群で中手骨骨密度(∑GS/D値)が正常値に比べ有意に低かったが,中手骨骨皮質幅(MCI)には有意な変化を認めなかった.本研究の対象とした症例に関する限り,X線写真上で認められた異常所見が,加齢以外の原因による病的状態を示しているという証拠は得られなかった.しかし薬剤の副作用は厳重に監視されなければならなことは言うまでもなく,high responderの症例に関する個別的検討や,骨密度に対して与える効果の検討などが今後の課題として指摘された.
  • 大西 誉光, 小方 秀子, 渡辺 晋一, 高橋 久
    1995 年 105 巻 8 号 p. 1109-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    38歳,男性,バングラディシュ人.3ヵ月前より徐々に拡大する四肢・臀部の瘙痒性皮疹を主訴に来院.貨幣大までの黒色調の境界明瞭な軽度に隆起する角化性扁平局面と褐色調の毛孔一致性丘疹を認めた.扁平局面より生検し,組織学的に顆粒層の肥厚,毛嚢周囲性の炎症細胞浸潤と毛嚢基底層の液状変性を認めた.臨床組織学的に扁平局面型のLichen planopilarisと診断した.ケラチンの発現の免疫組織化学的検討により,自験例の病変の中心部位は毛漏斗部と考えられた.また漏斗部を中心にいくつかの抗体で正常と比べて染色性の変化がみられたが,他の炎症性疾患にも共通する非特異的な変化と考えられた.
  • 1995 年 105 巻 8 号 p. 1115-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
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