日本皮膚科学会雑誌
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100 巻 , 10 号
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  • 窪田 泰夫, T.J. Lawley
    1990 年 100 巻 10 号 p. 1009-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    ヒト臍帯静脈血管内皮細胞およびヒト皮膚由来の微小血管内皮細胞をそれぞれ単離培養し,両種のヒト血管内皮細胞表面に存在する種々の細胞膜関連抗原をFACSを用いてしらべ,さらにBiological Response Modifersのこれら表面抗原の発現・増強に及ぼす影響について検討した.通常状態では内皮細胞上にはT細胞,NK細胞マーカー,補体および免疫グロブリン,IL-2の各レセプタ―はいずれも認め得なかった.免疫機能分子として重要なHLA-DRはγ-IFNの刺激により,用量・時間依存的に発現し,72時間,500U/mlの添加で90%以上の陽性率を示した.また既存の細胞接着因子のうち,ICAM-1,LFA-3,CD44などは両種の細胞上に認められたが,ICAM-1のみIL-1,γ-IFN,TNFの添加により非添加時の2~3倍の発現の増強を認めた.さらにICAM-1およびHLA-DRのγ-IFNによる発現誘導に及ぼすサイクロスポリンAの効果も検討した.これらの所見より,血管内皮細胞上のこれら免疫機能分子は,皮膚を舞台とした様々の免疫・炎症反応において何らかの役割をはたしていることが示唆された.
  • 小林 聰也
    1990 年 100 巻 10 号 p. 1017-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    乾癬患者の炎症惹起のメカニズムを検討する目的で,表皮系培養細胞のアラキドン酸(AA)代謝に対する乾癬患者血清の影響を検討した.対象として健常人血清を用いた.20例の乾癬患者より血清を採取し,予め3H-AAを取り込ませた表皮系培養細胞NCTC-2544に患者血清を10%を加え,経時的に3H-AAの放出量を測定した.乾癬患者血清は,健常人血清に比し,培養細胞からの3H-AAの放出を有意に増加させた.両者の血清中のphospholipase-A2(PL-A2)活性には有意差なく,培養細胞のPL-A2を活性化させる因子が乾癬患者血清中に存在することが推測された.その因子は56℃で安定で,分子量50,000以上であった.表皮細胞膜のPL-A2を活性化する因子が乾癬患者血清中に存在し,このために乾癬では表皮細胞のアラキドン酸カスケードの亢進が起こっていると考えられる.
  • 今村 隆志, 高田 一郎, 冨永 和行, 山本 俊比古, 麻上 千鳥
    1990 年 100 巻 10 号 p. 1023-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    乾癬の発症機序を血清アポ蛋白の面から検討するために,性・年齢的にほぼ一致した尋常性乾癬患者群および非高脂血症の健常人群の血清脂質値およびアポ蛋白濃度を測定し,両群を比較検討した.さらに乾癬患者群では皮疹占有面積比率をもとに重症度を軽・中等症群および重症群の2群に分け,症状との関係についても検討した.1)トリグリセライド(TG)値は男女ともに健常人群に比較して乾癬患者群で有意に高かった.2)コレステロール(TC)値は男女ともに乾癬患者群および健常人群の間に差が認められなかった.3)HDL-コレステロール(HDL-C)は男女とも両群に差が認められなかった.LDL-コレステロール(LDL-C)は男性では乾癬患者群に低い傾向を認めたが,女性では両群に差を認めなかった.4)アポ蛋白濃度では,アポBが男女ともに乾癬患者群で有意に低かった.アポA-Ⅰ,アポA-Ⅱ,アポCⅡ,アポC-ⅢおよびアポEは男女とも両群に差を認めなかった.また脂質およびアポ蛋白にいずれも重症度での差は認められなかった.以上から乾癬患者では血清アポ蛋白のうち特にアポBは量的異常を示したことから,血清脂質値とともに乾癬の発症に関与している可能性が示唆された.
  • 鍋谷 玲子, 小林 まさ子, 藤田 優, 江口 奈緒美, 寄藤 和彦, 岡本 昭二
    1990 年 100 巻 10 号 p. 1029-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    76歳女子,乳癌術後右上腕に高度のリンパ浮腫が続き,11年後にangiosarcomaが発生した(Stewart-Treves syndrome).Recombinant interleukin2(rIL-2:TGP-3)1日80~120万JRUの投与を開始したが,点滴静注では発熱,倦怠感,血圧低下などの副作用が強く,明らかな効果はなかった.局注では開始2週間後より,局注部位は暗赤色化し,4週間後には,組織学的に腫瘍細胞はほとんど消失していた.局注は副作用も少なく,全身投与より有効だった.またrIL-2投与中は,血中のLAK活性,NK活性は上昇し,IL-2レセプター陽性細胞が増加していた.自験例は腫瘍が広範囲に及んだため,rIL-2単独療法では腫瘍全体としての改善が得られず,さらに放射線療法,温熱療法を施行したが,発症後16ヵ月で死亡した.Stewart-Treves syndromeの本邦報告例24例において,術後から腫瘍発生までの期間は平均11年,発症後の平均生存期間は約11ヵ月であった.angiosarcomaに対して,rIL-2は有効な免疫療法になり得るが,その効果的な投与方法については,さらに検討を要する.
  • 大柳 聡, 金森 正志, 谷口 芳記, 清水 正之
    1990 年 100 巻 10 号 p. 1041-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    幼児期より汎発性膿疱性乾癬として発症した31歳男性と26歳女性の兄妹例を報告した.両症例ともに,経過中に典型的な尋常性乾癬の皮疹はみられず,皮疹の誘発,悪化因子として,兄例では胆嚢炎および慢性扁桃腺炎,妹例では歯根膜炎および慢性扁桃腺炎が考えられ,妊娠も重要な増悪因子となることが推定された.また,自験例における共通のHLAハプロタイプとして,HLA-A24,Bw52,-,DR2の存在が示唆された.
  • 古谷野 妙子, 佐藤 貴浩, 大滝 倫子
    1990 年 100 巻 10 号 p. 1047-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    症例1:43歳,女.小児期より顔面,口腔内,指趾の黒褐色点状色素斑に気付いた.18歳以降,躯幹に腫瘤が多発したため切除術を受けたところ,いずれもmyxomaと診断された.両側乳頭・乳輪部に米粒大までの丘疹が多発し,左乳頭部には小指頭大の半球状に隆起した弾性軟の腫瘤が認められた.組織では,真皮より皮下にかけて境界鮮明な腫瘍巣が存在し,粘液様物質が主体をなし,その中で紡錘型または星芒状の腫瘍細胞が疎に散在している.症例2:19歳,女.(症例1の長女).小児期より顔面,指趾の黒褐色点状色素斑に気付き,11歳時に頚部の腫瘍を切除されmyxomaと診断された.左鼡径部に鶏卵大および雀卵大の常色腫瘤を認め,いずれも症例1と同様の組織所見を認めた.以上2症例の腫瘍をmyxomaと診断した.自験例2例とも心臓病変,内分泌異常は認められないものの,近年,Carneyらが独立した症候群として提唱するcomplex of myxomas,spotty pimentation,and endocrine over-activity (Carney's Complex)の診断基準をみたす.本邦では本症の報告がいまだになく,自験例が初報告と思われる.
  • 須賀 康, 山田 裕道, 高森 建二
    1990 年 100 巻 10 号 p. 1053-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    ラット皮膚High-Molecular-Weight Protease(HMWP)を分離精製し,酵素の諸性質について検討した.本酵素は,セリン系プロテアーゼの基質であるsuccinyl-leucyl-leucyl-valyl-tyrosine-methylcoumarinamide(SLLVT-MCA)に最も高い基質特異性を示し,システイン(SH)プロテアーゼの基質であるZ-phenyl-arginyl-methylcoumarinamide(Z-Phe-Arg-MCA)なども軽度ながら分解した.酵素活性はSDS濃度0.03%,pH8.5において最大活性を示した.セリンプロテアーゼ阻害剤のdiisopropylfluorophosphate(DFP)とSHプロテアーゼ阻害剤のN-ethylmalemide(NEM),Iodoacetamide(IA),leueptin,そして,セリンプロテアーゼとSHプロテアーゼ両方の活性阻害作用を有するchymostatinにより酵素活性は抑制され,本酵素はセリンプロテアーゼとSHプロテアーゼの両方の性質を有する特異なプロテアーゼであることが示唆された.
  • 秋山 正基, 飯島 正文, 藤澤 龍一
    1990 年 100 巻 10 号 p. 1057-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    Iohexol(OmnipaqueR)による薬疹の7例を経験し,発症経過を臨床的に検討し,また他のヨード造影剤との交叉感作の可能性についてパッチテスト・皮内テストにより検討した.本剤に未感作の場合,造影後5~6日後に浮腫性紅斑が全身性に生ずるのがその発症経過の特徴であって,既感作の場合造影数時間後から翌日に発疹を生ずる.原因薬剤確認には,皮内テスト24時間後,パッチテスト48時間後の判定が適切であった.自験例ではイオン性ヨード造影剤との交叉感作は全く認められず,Iohexolの抗原決定基は明らかにヨードそのものではなかった.また他の非イオン性ヨード造影剤,Iopamidolとの交叉感作の可能性については現時点では明確にしえなかった.
  • 1990 年 100 巻 10 号 p. 1061-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
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