日本皮膚科学会雑誌
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114 巻, 12 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
生涯教育講座
  • 川田 暁
    原稿種別: 生涯教育講座
    2004 年 114 巻 12 号 p. 1875-1880
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2014/12/13
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    Photoaging, which is different from intrinsic or chronological aging, is a skin change induced by chronic and repeated exposure to ultraviolet light (UV). Photoaging skin is characterized by sallowness, mottled pigmentation, solar lentigines, dry and rough skin, telangiectasia, loss of skin tone, leathery texture, laxity, coarse and fine wrinkles, and benign and malignant skin tumors. The dermis of photoaging skin displays solar elastosis and prominent alterations in the collagenous extracellular matrix of the connective tissue. Solar elastosis is the accumulation of massive amounts of abnormal elastic material in the dermis. Some studies using a novel transgenic mouse model expressing a human elastin promoter-reporter gene construct have revealed that an increase in human elastin promoter activity is involved in accelated synthesis of elastin-related proteins. UV irradiation induces an increase in the activity, mRNA, and protein of matrix metalloproteinases via downstream signal transduction through activation of MAP kinase pathways and may contribute to photoaging. Sunscreens are known to be capable of preventing photoaging.
原著
  • 高倉 桃子, 相原 道子, 忻 克勤, 奥田 研爾, 池澤 善郎
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 12 号 p. 1881-1887
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎(Atopic dermatitis: AD)のマウスモデルであるNC/Ngaマウス(NCマウス)は,皮疹の発症とともに血清IgE値の上昇が認められ,Th2サイトカインの過剰産生が皮疹の形成に関与するとされている.今回,われわれは,ADの発症および維持におけるサイトカインの関与を明らかにする目的で,通常環境下で飼育して皮疹を自然発症したNCマウスと,未発症のNCマウスのTh1/Th2サイトカイン産生能を比較検討した.両群のマウスにおいて脾細胞およびリンパ節細胞をConcanavalin A刺激下で培養したところ,リンパ節細胞において,Th2サイトカイン(IL-4,IL-5,IL-13)のみならず,Th1サイトカイン(IFN-γ)およびIL-12も皮疹発症群で有意に産生亢進を認めた.血清IL-18値の比較では,7週齢においてIL-18が高値の群は,15週齢における重症皮疹の発症率が有意に上昇していた.これらの群では,血清IL-18値とTh1/Th2サイトカイン産生能との関連において一定の傾向はなかった.以上より,NCマウスの皮疹発症,維持にはTh2のみならずTh1細胞の活性化も関与する可能性と,7週齢における血清IL-18値の高値群は皮疹が重症化する可能性が示唆された.
  • 村澤 章子, 木村 鉄宣
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 12 号 p. 1889-1897
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    病理組織検査の依頼書に,粉瘤(アテローマ)の臨床診断名がつけられていた2,856例について病理組織学的検討を行った.病理組織診断の結果は,腫瘍性疾患が2,781例,炎症性疾患が55例,沈着症が13例,その他の疾患が7例であった.腫瘍性疾患では,粉瘤に相当する病変が2,455例であり,粉瘤の臨床診断と病理組織診断の一致率は86.0%であった.また,悪性新生物が17例,0.6%あった.臨床診断が粉瘤であっても,様々な疾患が含まれているので,確定診断のためには病理組織検査をする必要がある.
  • 榎並 寿男
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 12 号 p. 1899-1904
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    narrow-band UVB療法が尋常性白斑に有効であるとする報告が欧米では散見されるが,本邦においてはまだ少ない.我々は14歳・日本人女性の汎発型尋常性白斑にカルシポトリオール軟膏プラスnarrow-band UVB併用療法を行い,有効性を認めたので報告する.この疾患に対してnarrow-band UVB単独療法,またはカルシポトリオール軟膏単独療法で効果がないとき,この併用療法は選択に値する療法であると考えた.
  • 倉知 貴志郎, 稲宮 知美, 櫻根 純子
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 12 号 p. 1905-1909
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    顔面の腫瘍切除後再建には種々の局所皮弁が用いられている.しかし顔面には眼瞼,眉毛,外鼻,口唇,耳介など動かせないlandmarkが多く存在するため大きな欠損に局所皮弁は適応しにくい.bilobed flapは主として外鼻の欠損に用いられてきた局所皮弁である.顔面の腫瘍切除後の皮膚欠損5例に対してbilobed flapを用いた再建を行い,整容的に満足できる結果を得た.bilobed flapは局所麻酔下で比較的大きな欠損にまで対応できる低侵襲で有用な皮弁であると考えられた.
  • 城戸 真希子, 河崎 玲子, 細川 知聡, 行徳 隆裕, 今山 修平
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 12 号 p. 1911-1916
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    病室の滅菌にはUVC領域の波長254 nmを放射する紫外線殺菌灯(クリーンライザー®)が広く用いられているが,その危険性のため本装置は無人状態下の使用が原則である.このたび病室に患者と家族が居る病室で本装置が約30分間作動する事態が発生した.そのうちの一人は暴露側の眼の刺激感と頬部のひりつき感を訴え,以降次第に頬の紅斑は鱗屑を形成し脱落した.同じ装置により照射実験を行ったところ,UVC照射24時間後すでに走査電顕的に角層細胞表面には蛋白変性によると思われる陥凹が生じており,経過と共にケラチンによる紋様は著しく不規則になって脱落した.UVCはDNAに吸収されるため,従来,UVC照射により最初は有核細胞が障害を受け,その変化が次第に角層におよぶとされてきたが,24時間後には既に角層細胞に変化がみられたことから,UVCはケラチンなどの細胞質内蛋白にも直接に影響を及ぼすものと考えた.
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