日本皮膚科学会雑誌
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122 巻, 12 号
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委員会報告
皮膚科セミナリウム 第91回 皮膚科の治療
  • 中村 泰大
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第91回 皮膚科の治療
    2012 年 122 巻 12 号 p. 2859-2868
    発行日: 2012/11/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    母斑,皮膚良性・悪性腫瘍,外傷,熱傷,静脈疾患などの治療に際して,外科手術は欠かすことのできない治療手段である.外科手術はその侵襲の程度により局所麻酔で施行可能なものから全身麻酔を要する手術まで様々であり,局所麻酔で施行可能な手術の多くは外来で施行可能な場合が多い.本稿では,外来局所麻酔下にてどの程度の皮膚外科手術が外来で施行可能であるかを中心に述べる.
  • 山田 秀和
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第91回 皮膚科の治療
    2012 年 122 巻 12 号 p. 2869-2874
    発行日: 2012/11/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    東洋医学の理解が皮膚科治療には有用なことが多い.本来は証を理解して治療することを原則とするが,ある程度,病名投与でも可能な内容を紹介した.局所と全身の双方を見ながら薬剤を選択するのは皮膚診療の実地家にとっては大変勉強にもなる.できれば生薬の薬理作用を考えながら処方できるようになると有用率もあがるので,薬理作用も同時に学習するのがよい.
原著
  • 藤澤 康弘, 中村 泰大, 丸山 浩, 中村 貴之, 川内 康弘, 大塚 藤男
    原稿種別: 原著
    2012 年 122 巻 12 号 p. 2875-2883
    発行日: 2012/11/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    センチネルリンパ節(SLN)生検は今や皮膚悪性腫瘍を扱う上で重要な手技となっている.放射性同位体(RI)と色素を用いた方法が標準的なSLN同定法で90%以上の同定率が得られている.一方で同定に難渋する症例や偽陰性例があることから,現在のSLN同定法には改善の余地があると考えた.そこで我々は2009年12月以降,50例の皮膚癌患者に対して従来の同定法に加えてインドシアニングリーン(ICG)の蛍光を用いたSLN生検をおこない,同定率の向上を試みた.その結果,50例中49例(98%)でSLNを同定し,1症例あたりの同定個数はICGが2.20個でRIの1.81個に比べて有意に多かった(P<0.05,t-test).ICG蛍光法は49例中10例(20%)でRIが集積したSLNと同じリンパ領域内に新たなSLNを同定し,6例(13%)でRIが流れなかった別のリンパ領域に新たなSLNを同定した.これらICGの併用により新たに同定されたSLNの77%が頭頸部,体幹,陰部原発の症例であった.ICGの併用開始後のSLN同定率98%は,併用前50例の当院集計の92%に比べて統計学的に有意な改善ではなかったが,1症例あたりのSLN同定数は有意に増加した(2.20対1.76個,P<0.01,t-test).ICGを用いたSLN生検の報告数はまだ少ないことから,症例の蓄積と長期予後の追跡によりこの同定法の有用性を検討する必要がある.
  • 松澤 高光, 小川 陽一, 猪爪 隆史, 原田 和俊, 川村 龍吉, 柴垣 直孝, 市川 健, 島田 眞路
    原稿種別: 原著
    2012 年 122 巻 12 号 p. 2885-2890
    発行日: 2012/11/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    90歳,女性.初診の3カ月前に,外陰部の紅斑を指摘された.紅斑が拡大,びらんも出現したため,近医を受診.紅斑部の生検で病理組織所見上,表皮内に大型の核と明るく豊富な胞体を有するパジェット細胞の増殖を認め,乳房外パジェット病の診断で当科を紹介受診.初診時,外陰部に7×6 cm大のびらんを伴う紅斑を認めた.高齢かつ全身状態不良であったため,手術や放射線療法は施行せず,週3回,イミキモドクリーム外用を開始した.外用開始3週間後に外用部に一致し,著明な炎症が出現した.さらに3週間外用を継続し,休薬後,紅斑は消退,びらんも上皮化した.イミキモドクリームが奏効した乳房外パジェット病の報告は現在のところ,ほとんどない.炎症性サイトカインの関与も含め若干の考察を加え報告する.
  • 黒岡 定浩, 並川 健二郎, 堤田 新, 田中 亮多, 加藤 潤史, 山崎 直也
    原稿種別: 原著
    2012 年 122 巻 12 号 p. 2891-2897
    発行日: 2012/11/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    2001年1月~2010年7月に国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科を受診し,治療を行った計101症例を検討した.男性67例,女性34例,年齢は41歳から85歳(平均69.9歳),部位は外陰部89例,肛門周囲6例,腋窩5例,外陰部/腋窩に重複が1例であった.当科では,術前検査で遠隔転移を認めなければ外科治療を第一選択とし,原発巣に結節を認める症例や部分生検で真皮浸潤を認める症例については,センチネルリンパ節生検術またはリンパ節生検術を追加し,リンパ節転移を認めれば所属リンパ節郭清術を施行している.リンパ節転移が1個または2個であれば5年生存率は100%であるが,リンパ節転移が3個以上の症例では,5年生存率は0% で生存率に有意差を認めた.また,外陰部原発症例などで両側鼡径リンパ節に転移を認める症例や多発リンパ節転移症例は所属リンパ節郭清術を行ったとしても予後改善に結び付かないため,縮小手術を考慮し患者のQOLを損ねないようにすることも大事である.切除不能リンパ節転移症例や遠隔転移症例については,FECOM(5-FU/Epirubicin/Carboplatin/Vincristine/MitomycinC)療法やタキサン系薬剤を用いていることが多いが治療に抵抗性な場合が多く予後は非常に悪い.当科で経験した症例について検討を行った.
Letter to the Editor
学会抄録
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