53歳女性.25歳頃に顔面の腫脹,41歳時右上肢,46歳時両大腿,48歳時左上肢,49歳時頸部と前胸部に手拳大から児頭大の弾性軟,懸垂性のlaxa様腫瘤が多数生じ,胡桃大の表在リンパ節を10個触知した.右前腕の組織像で真皮より皮下脂肪織に,び漫性に異型リンパ球,好酸球の浸潤と多核巨細胞を混じた肉芽腫像を認めた.白血球数59,200/μl,好酸球数は53,280/μlと高値を呈し,T細胞受容体遺伝子(TCR)-β鎖に再構成を認め,granulomatous slack skin(GSS)と診断した.現在までにGSSの報告例は48例あり,高好酸球血症を示したのは自験例を加え4症例で,自験例は最も著明な高好酸球血症を呈していた.GSSに合併したmycosis fungoides(MF)とGranulomatous MF(GMF)の発症は全例GSSに先行又は同時発症していた.
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